内容説明
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『逆説の日本史』著者の新たなライフワーク。
『逆説の世界史』は、ベスト&ロングセラー『逆説の日本史』シリーズの著者・井沢元彦氏が挑む「新たなライフワーク」。待望の文庫版シリーズがいよいよ発売開始です。
構想に15年以上を費やした本企画は、民族、宗教、イデオロギーによる偏見や差別を極力排し、いわば「地球人の視点」で人類の歴史を読み解く逆説史観による文明論。
シリーズ第1巻「古代エジプトと中華帝国の興廃」のテーマは、「文明はなぜ衰退あるいは停滞するのか」です。
第一章の古代エジプト文明の崩壊編では、ピラミッドは何のために造られ、巨大建築物を造る技術はなぜ継承されずに文明が滅亡したのか、という古代史上最大の謎を解明。
第二章の中国文明の力量と停滞編では、15世紀に世界の最先端だった国家がなぜ六百年以上も停滞しているのか、儒教社会を支配する「中華思想」の不思議を読み解きます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
20
「実は、朝鮮戦争で同胞が敵同士として戦うことになった韓国人の中にも、北朝鮮の体制を羨ましいとまでは思わないまでも、なんとなく懐かしさを感じるという人はいる。つまり、国全体が「建国の父」を本当の父として仰ぎ、それを中心としてまとまっている一大ファミリー国家だという考え方である。」韓国の北朝鮮への同胞意識以上と思える共感の情は、日本人の感覚としては理解に苦しむ部分があるのだが、朱子学の精神構造(親そして先祖に対する忠誠である「孝」が最も重んぜらるべき)を理解すれば納得がいく。彼らの執拗な反日姿勢もまたしかり。2021/09/23
ソラ
16
世界史に場所を移しても日本史シリーズと基本スタンスは同じ。うなずける部分もあるしそうかな?と思うところもあり。それでも教科書的なところより踏み込んだ話であり面白いなと思う。2019/09/22
TheWho
15
「逆説の日本史」の著者が、題材を世界史に広げて論述するシリーズ1巻目。随分前に2巻目を読んで、3巻目が発売されているのを知り遡って1巻目を読む事にした。内容は古代エジプト文明と、中国文明について言及し、なぜ古代に花開いた古代文明が、現在に波及しなかったのかを著者の考えで綴っている。エジプト文明ではいささか冗長とも思える、文字(ヒエログリフ)の波及について言及し、中国に関しては、儒教の波及による現代の矛盾を語っている。少々著者の思想が入り過ぎているとも思えるが、面白く構成されている1冊です。2019/11/26
九曜紋
11
「逆説の日本史」の著者・井沢元彦による「逆説の世界史」第一弾。古代文明発祥の地として栄華を極めたエジプトはなぜその文明を継承できなかったのか?また同じく文明発祥の地として15世紀までは世界最先端の国であった中国はなぜ21世紀の覇権を握れなかったのか?誰しも疑問に思うところではある。著者が世界史を斬るツールは基本的に日本史のときと同じ。エジプトについては言霊信仰、中国については朱子学の害を用いて論ずる。妥当性を感じる部分もあるが中国については欧米を打倒し覇権を握るレベルに到達しつつあるようにも思えるのだが。2023/07/26
ようはん
10
古代エジプト、中華帝国両方のテーマは共に新たな視点と知識を得る事が出来て非常に良かった。井沢先生が最後に中国の若者達に伝えたメッセージは中国の現状を知るとその切実さが分かる。2019/11/17