内容説明
失敗してからが勝負、著者渾身のメッセージ
相次ぐ企業の偽装事件、ストレスで心身を病む会社員、つづく役人の文書改竄・不適切調査、そして長すぎる老後への不安。なぜ、こんな世の中になってしまったのか? 本書は社会のさまざまな「壁」を前に立ちつくし、苦悩を抱えて生きるすべての人に向けて書かれました。著者がフィールドワークで発見したスリランカの「悪魔祓い」、偉大なる仏教思想家や志ある宗教者たちの言葉などを通して、生きる哲学としての「立て直す力」を熱く提言します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
陰翳rising sun
15
より良い人生を送るためのノウハウ。主題は人生の「複線化」という思考。生きる意味を仕事や会社だけにしていると、解雇や景気の悪化の影響により躓きかねない。ならば仕事以外にやりがいを見つけたら良いというもの。噛み砕いて言うと、息抜きのできる居場所を見つけるということ。自分は仕事を米塩の資を稼ぐ手段としてのみ捕らえているので深く共感した。長期的に実現できることでも良いので、何かしらの目標や展望を持ちたい。印象的だったのは竹は松にならず、松は竹にならずという例え話。他人を羨むより自分らしく生きる。これで良いのだ!!2020/06/06
タカナとダイアローグ
12
松が竹になりたがっても不幸的な指摘が刺さった。人間でいうと、大谷翔平を目指すのは無理だから、理想の自分自身を目指すという感じ。宗教っていう、現世とは異なる価値軸を持ち、複数性があったほうがいいのでは?という人類学知見。スリランカの悪魔祓いエピソードは強烈。日本だとオカルトなんだけど、現地では祭みたいな機能とのこと。おかしくなっても悪魔祓いて何とかなる的な展望があると本当に絶望しても救いがある。日本を見渡すと、失敗イコール転落一直線。日本の祭も外の目から見たら相当変なことしてるし、これが文化・知恵みたいな。2024/11/30
Sobbit
7
タイトルだけでてっきり心理療法のレジリエンスの話だと思って読んだら、文化人類学の宗教がいかにいざという時の心のセーフティになるかの話だった。そうなんだよな〜、新自由主義が加速した結果失敗が許されない世の中になっちゃった。これまではじゃあ失敗のない人生を選択しようと思ってそういう人生になるように生きてきたけど、そろそろ限界かなって思う。原始仏教について勉強してたこともあって、本書が説く宗教が心の支えになるっていうのはすごい納得。オウム以降特に宗教=やばいみたいになった気がする。2020/09/15
まりにゃ
7
またもや10日以上前に読み終えながら、考え込んでしまった本。採集狩猟社会であれば、キリギリス的に幸せに生きていけたのに、農耕貯蓄社会になると、アリでなければ悲惨な結果が待ち構えている。そしてアリであることは、ヒト本来の生き方と異なるので、過酷な無理を強いられるという。ヒトは代々に渡り、長い年月かけてアリ的生涯に必死に適応してきたけれども、遂に限界に達したのが、現代ではあるまいか。明るく楽しい社会の表面の背後に、潜む闇がどんどん深まってゆく恐ろしさを、私たちは日々、実感しているのではあるまいか。(→続き→)2019/11/16
Yaya
5
もう20年ほど前の話になるけれど、上田先生の授業を1回だけ受講したことがある。その頃から先生は著名な方だったけれど、私がまだ若かったからなのか、先生の伝えたいことが、深く理解できていなかったんだなぁと思った(1回だけだったというのもあるかな)。海外生活を経て、宗教の存在意義を以前よりは自分なりに捉えられるようになった今、この本に出会えたことは、私の人生において意味のあることのように思う。1年後くらいに、もう一度読み返そう。 2021/06/20




