筑摩選書<br> イスラームの論理

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筑摩選書
イスラームの論理

  • 著者名:中田考【著者】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 筑摩書房(2022/08発売)
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  • ISBN:9784480016379

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内容説明

現代世界が直面しているテロの背景には、やむを得ない実力行使の側面がある。けれど、そもそもイスラームは本当に好戦的なのか。激しい攻撃にさらされてもなお、信仰者を増やし続ける魅力はどこにあるか。イスラームを貧困と暴政に陥れた“真犯人”は誰なのか。日本人がイスラームを理解することはできるのか―。日本人研究者、信仰者としてイスラームを30年以上見つめてきた第一人者が、イスラームの深奥を明らかにする。異文化を知ることは、自文化を知ることである。そこに立ち現れる日本の姿とは。【電子書籍オリジナルまえがき付き】

目次

電子版のための前書き 帝国の復興と文明の再編の時代のイスラーム/プロローグ 幾重もの「ヴェール」の向こうのイスラームをいかに理解するか/第一章 イスラームと現代世界/1 「現代」の光と闇/2 「野蛮」の現代/3 唯物論の世紀/4 宗教と政治/5 資本主義、あるいはマモンの支配/6 リヴァイアサン/7 現代の偶像/8 イスラーム世界の植民地化/9 独立、あるいは植民地支配の内面化/10 イスラエル、最後の植民地/11 エルサレム、イスラーム第三の聖地?/12 OIC、イスラーム世界の分断恒久化装置/13 イスラーム・テロ/14 イスラームの脅威/15 カリフ制再興/16 イスラームの現代/第二章 日本とイスラーム/1 多神教と一神教/2 末法と信仰/3 日本ナショナリズムとイスラーム/4 イスラームと国家神道との共存/5 初期日本人ムスリムのイスラーム理解/6 日本とイスラームとの接触/7 戦前の日本のイスラーム/8 戦後日本とイスラーム/9 日本のイスラーム理解を巡る理論状況/10 教科書におけるイスラーム/11 イスラームとヨーロッパ文明/12 十字軍パラダイム/13 日本とオリエンタリズム/14 文明の対話、宗教の対話/15 ハラール認証の偶像崇拝/16 イスラーム・日本文化の現在/17 〈私〉の神学/第三章 アッラー/1 アッラー/2 偶像崇拝の否定/3 「神」とは何か/4 神の「存在」/5 神の属性/6 神学の論理構成/7 理性の神、啓示の神/8 創造と立法、存在と当為/9 タウヒード/10 神の存在構造/11 慈悲の神/12 救済/13 神に至る道/第四章 預言者ムハンマド/1 預言者とは何か/2 預言者の召命/3 ムハンマドのシャリーア/4 クルアーンとハディース/5 預言者伝/6 超越的ムハンマド/7 宣教の開始/8 ヒジュラと国家の建設/9 イスラーム国家の確立/10 使徒の崩御/第五章 ウンマの歴史/1 預言者の後継/2 スンナ派とウンマ/3 カリフと政治的権威/4 ウラマーゥと学的権威/5 スーフィーと精神的権威/6 カリフの消滅からシャリーアの主権へ/7 イマームとシーア派/8 イマームの幽隠から「イスラーム法学者の権威」へ/9 スンナ派とシーア派の対立の世紀/エピローグ 新たな「地平融合」へ向かって

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

49
無自覚にイスラームの論理を語っても我々は近代性の上に生きており、そのイスラーム性は近代に絡め捕られていて、その核心は語りえないという問題意識から本書は構成されています。現代社会におけるイスラームへの先入観をはじめとした雑多な問題を先に論じて、最後に「没価値的歴史」が論じられており、読み易いこれらの章からが入り易いと思います。第3章アッラーの章が本書の核心部分ですが、「超歴史的」に神学的に、意外とモダニズムで書かれています。しかし、すんなりと理解するのは難しそうです。2022/01/22

Koning

31
講談社選書メチエで2001年に出たイスラームのロジックの事実上の第2版。あれからダーイシュによる日本人殺害やら何やらあった中でよりとんがった感じに見えるのは気のせいだろうか。これを読むと橋爪との対談本でよいしょしてるような発言をしたのが信じられないんだけど(笑)。これを最初の一冊にするのは無理があるけれどある程度見てきたら読まないとやっぱり済まない本であるというのは間違いないと思う。2016/07/03

8
おもしろかった。イスラームは現代の欧米中心の世界や価値観への最大の異議申し立て者であるからこそ、敵とみなされ、テロリスト認定されつぶされる…というなかなかすごい話。さすがに言い過ぎな感じはするが、当たっている面は確かにある。最後の中東政治は、やはり難しい。2023/02/28

酩酊石打刑

5
なんとも刺激に満ち、蒙を開かれるような読書を味合わせてもらった。とはいえ、ちゃんと読み込むことができたのは、モチーフ部分である冒頭とエピローグだけのような気がする。本書は「イスラームの理解」ではなく、しっかりと向き合うための「心の備えを与えるもの」との著者の言葉に甘えさせていただくことにする。「神は死んだ」と無邪気に語り、「政教分離原則」なる古色蒼然なる俗言を、信じこんでいた自分への反省をしっかりと心に刻み込んでいきたいと思う。2017/01/31

amanon

5
以前読んだ、著者の別の著書とタイトルが被っているな…と思っていたが、実はその著書の改題版だということを最後になって知った。しかし、物の見事に多少なりとも読んだという記憶は蘇えらなかったが。それだけ、読みが浅かったのと同時にイスラームを巡る事情がややこしいということなのだろうと思う。これまで読んできたイスラーム関係の本と同様、ある程度見えてきたか…と思えるのと同時に、ますます謎が深まった感も否めず。ただ、一般に流布しているイスラームへのイメージがかなり歪曲されたものであるということは再認識できたけれど。2016/07/07

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