出版社内容情報
西暦80万2700年、人類滅亡後の地球。異種族に再生された歴史上の文豪たちは、永遠に小説を書き続けていた。果してその目的とは?
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感想・レビュー
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よっち
18
西暦80万2700年、人類滅亡後の地球。高等知的生命体「玲伎種」は人類の文化を研究するため、蘇生した歴史上の名だたる文豪たちに小説を執筆させるSF小説。不老不死の肉体を与えることと、彼らの願いを一つだけ叶えることを代償に文豪に執筆させるものの、玲伎種による〈異才混淆〉の導入によって、自己の作風と感情を混ぜ合わされ、数万年にわたり歪んだ共著を強いられることで才能を枯渇させていく作家たちの狂気。壮大なスケールで積み重ねられてゆく描写の中で、作家にとって小説や創作とは何か、その本質を問い続けた展開は圧巻でした。2025/08/07