内容説明
カニカニ、クラゲ、アメフラシ、ヤドカリ、マテ貝、桜貝。一見地味な海辺だけれど、数え切れないほどの「いのち」と出会える場所。フジツボにまねかれ、潮の満ち引きを眺めていると、まるで地球の息吹が聞こえるよう…私たちの祖先が利用しつつ守り続け、ラムサール条約により世界的な保全の対象となっている人類の貴重な財産。そんな干潟の魅力に、生物学・文学・美学などから楽しくアプローチ。美しい写真と愉快なイラストを添えて贈る干潟愛あふれるふたりの満潮コラボレーション。
目次
そもそも、干潟ってなんだろう?―小網代湾の場合
待て、待て、マテ貝、潮はもう満ちたかい?
干潟のカニを観察しよう!―カニの食事とダンスの話
ヤドカリさん、お住まいとお友だち
小網代干潟の大きなヤドカリ、コブヨコバサミ
アマガニの正体、ヤドカリのお味はいかが?
海にもいろいろ、虎も牛も鹿も、そして兎も
二枚貝、食事のしかたも二通り―懸濁物食者と堆積物食者
干潟の遊女は女神さま
ツメタガイと砂茶碗
青鷺の名前―小網代の青鷺は、哲鳥か聖鳥か、はたまたお笑い芸鳥か
くらげ、泳ぐか、浮かぶか、月を模して漂うか
秋でもさくら冬でもさくら、干潟でもさくら
さくらは大島、ひがたは小網代
海のドングリ、ちょっと変わったフジツボの話
動かないフジツボは世界を巡る
鉄の歯と石の目をもつヒザラガイ
よしはらのゆりかごから
世界のあちこちで葦笛、世界中に葦原
最後に、「サムサール条約」から考える
著者等紹介
ジポーリン福島菜穂子[シポーリンフクシマナホコ]
文学博士(米国ミシガン大学比較文学)。ホモ・ルーデンス。原始人感覚を回復すべく、文学や芸術から、自然環境との寄り添い方を考えるべく、「比較文化干潟学」を絶賛提唱中。東京農業大学准教授。2013年ICASベスト・アコレイド賞受賞
小倉雅實[オグラマサミ]
医大勤務時代は、耳鼻咽喉科にて「喉越し」の研究などにも携わる。現在は、干潟の底生生物の種類と個体数の調査、干潟環境の変化に伴う希少生物の状況調査に従事。小網代の森と干潟を守る会役員。特定非営利活動法人小網代野外調整会議理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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