内容説明
不登校に悩む親子の駆け込み寺「東京シューレ」の設立者にして、不登校をめぐる言論・活動のトップリーダーとなった著者が、激増中の不登校の現状と制度の大転換を的確に描く。さらにフリースクール35年・中学校12年の運営実績にもとづき、不登校経験者たちが自分らしさを生かして社会で活躍する様子と、それを可能にした東京シューレの実践を詳細かつリアルにレポートする。子を持つすべての親と関係者、必携の1冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
67
学校も人と人との出会いと同じで、相思相愛になれたり合わなかったりする。世間は昔よりは寛容になったかもしれないが、同調圧力は今も根強い。著者の先生を始め、まだ幼い子が傷を癒せる居場所づくりをなさっている方々を私は心から尊敬する。私も元不登校児でだいぶこじらせてしまったからだ。学びの楽しさをその子供なりに会得して、自分らしく生きる方法を模索するだけの力を生み出していってほしいと願うばかりだ。勉強は自発的にするもので、あくまでも学校はそのサポートをする施設であると私は思っている。柔軟に考えることが大事。2019/08/12
タルシル📖ヨムノスキー
24
世の中って面白い。お年寄りが老健に入らなくて済むための老健を作る人がいたり、学校に行けない子供たちのためにフリースクールを立ち上げた人が中学校を作ったりするんだから。この本は、子供たちの不登校とずっと向き合ってきた、東京シューレというフリースクールの理事長さんが書いた本。まず考えさせられたのは、義務教育というのは、親にとっての〝教育を受けさせる義務〟のことで、子供にとっては〝権利〟だということ。つまり選挙権と同じで〝いかない〟という選択肢もあるんだということ。あぁ、この本に5年早く出逢いたかった。2020/01/10
リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん
19
学校には無理をして行かなくても良いと思う。そういう考えが市民権を得ているのはこういうフリースクールを周囲の偏見と戦いながら運営してきた人のお陰だ。2019/11/26
katoyann
18
フリースクールの草分けとして有名な東京シューレの代表であり、不登校の権利運動を牽引してきた著者による新たな時代の不登校論です。法律ができたようにこれからは教育を選ぶ時代です。普通教育を受ける権利を保障するのは学校に限りません。子どもにあった学びを保障することが大切です。 そこには「子ども達が、市民社会の担い手になっていく時に、民主主義を土台に少数派を排除せず、自分たちの社会を自分達で考えてつくっていく主権者になっていってほしい」(83頁)という思いがあるようです。目から鱗でした。2021/05/19
tellme0112
12
この方のおかげかもしれない。子どもの権利が尊重される教育へ。すごい方だなあ。子どもに内緒で読んで図書館に返却しようとしたが、学校に通うのが苦しい子どもたちにも届くように、と書かれたはじめにを見て、これは、そっと本棚に置いておこうと思いました。読んでます。2019/10/25