内容説明
失踪した妹を捜す男が迷い込んだのは、磁器人形(ビスクドール)作家の奇妙な王国。雪に閉ざされた山荘に招かれた4人のコレクターの前で、無残な遺体が発見された。誰が何のために? 次の標的は? 鍵を握るトランプコードの秘密を知ってしまった者の運命は……。平成生まれの新鋭による新潮ミステリー大賞受賞後第一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九月猫
58
彩藤さん二作目は「雪の山荘」もの。味付けはビスクドールとトランプコードと呼ばれる暗号。一作目と同じく、妖しげなものと王道のミステリを組み合わせた独特の作風は好みど真ん中。ただ……どこか惜しい感が残るのも一作目と同じ。「後日談」前の推理と「後日談」での真相(一応の)のひっくり返り方にも驚きがなかったのは期待しすぎていたからかしら。とはいえ、期待し続けたい作家さんであることは確か。次作を楽しみに待ちたい。もし、今作が「探偵お披露目」作でシリーズになる……だったらうれしい。2016/06/01
ちょろこ
57
ちょっと足りなかったな…の一冊。タイトルと表紙に期待を膨らませ過ぎたのかな、なんだか物足りなさが…。閉ざされた雪の山荘、次々とおこる殺人事件、暗号、密室、もうこれだけでそそる設定。そこにもっともっと耽美な雰囲気を足してもらえたら最高だったと思う。自分的にはキラリと光る登場人物がいなかったのも残念。二転三転のラストは面白かったんだけれどもモヤモヤ…。スッキリ感も足りなかった。結局、あの方は何処へ…?2016/05/16
だんじろー
52
トランプコードは早々に解読できたので、物語の行き着く先をおおよそ予測しながらの読書。デビュー作同様、独特な雰囲気を醸しだしてはいるものの、今作は残念ながらピントが少々ずれてしまった印象を受けた。食材はそこそこ良いのに、肝心の味付けでしくじった感じ。終盤のカタルシスも警戒したほどではなく、舞台の「閉塞性」もどこか中途半端。取ってつけたようなエピローグも効果的には思えず。期待する作家さんだけに、次作を楽しみにするとしよう。2016/04/05
いたろう
49
異なる文体が混在する構成が面白かった「サナキの森」に続く著者の二作めは、雪に閉ざされた山中の大邸宅で起こる連続殺人事件、暗号の謎という典型的な本格推理小説のフォーマット。だが、話はただの謎解きに留まらず、邸の主であり、人前にめったに姿を見せない世界的に有名な磁器人形作家とその作品の精巧な人形、特に、毎年一つ制作されるが公開されない琥珀に包まれた小さな人形=樹液少女の存在が、物語に幻想的な雰囲気をもたらしている。そして謎解きはどんでん返しの妙味も。この「探偵」は一作だけではもったいない。シリーズ化も期待。2016/03/05
えりこんぐ
45
大雪で閉じ込められた中で起こる殺人事件! 想像していたよりもきっちりしたミステリーでした。二転三転の結末はすごいと思ったけど、いまいち入り込めず...私には合わなかったのかな(・・;) 最後に突然活躍する探偵っていうのがダメなのかも。2016/09/03
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