講談社ラノベ文庫 夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去 電子書籍特典付き

著者名：園生凪【著】/黒田ヱリ【イラスト】

講談社（2019/08発売）

• ISBN：9784065169698

内容説明

【電子書籍には特典としてキャラ紹介（カラー版）を収録。※紙の巻末特典のカラー版になります。】23歳、職歴半年のニート、僕の立場を一言であらわすとこうなる。友人であるカッツンの家に居候させてもらいだらけた日々を送っていた僕は、夢をコントロールする方法を記載したブログを見つける。夢の中で死なない、夢に一週間以上とどまらないこと、と注意されつつ、僕は思い通りの夢を見る。その夢の中には、10年前に転校した元クラスメイトの霧崎紗耶香が現れる。彼女は僕の初恋の人で、そして、交通事故で死んでしまった人だった。彼女との交流で、止まっていた僕の時間が動き出した――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

友人・カッツンの家に居候させてもらいだらけた日々を送る23歳、職歴半年のニートの天木颯。そんな彼が夢をコントロールする方法を記載したブログを見つける物語。颯が抱える10年前に交通事故で死んだ初恋の女の子・霧崎紗耶香に対する３つの後悔。リアルでは相変わらずな日々を送りながら、夢の世界で紗耶香と会うことにのめり込んでいく颯。著者さんらしどこか気怠そうな世界観で、夢の世界で背中を押してくれた紗耶香や、ダメンズな彼を見守るマキたちに出会い、積み重ねた思いを胸に新たな一歩を踏み出す展開はなかなか良かったですね。

2019/08/28

[真白優樹]

職歴半年、友人の家に居候するニートな青年が夢をコントロールする方法を見つけ亡くした彼女との日々を繰り返す物語。―――あの日の愛が背を押す時、壊れた時間は動き出す。　愛とは何か。そんな永遠的な命題にこの物語なりの結論を出す物語。あの日に壊れた想いを捨てきれぬ心を押し隠し、夢の中に逃げれど進む時は変わらない。だけど想いに気付けた時、全部抱えたその背を愛は押し世界はまた歩き出す。　生温い寂寥感の中の一抹の温かさ、どこか荒涼としながらも優しい世界が好きな読者様は是非読んでみてほしい。 うん、最高に面白かった。

2019/09/01

[ツバサ]

ニートが主人公で、ヒロインはもう亡くなってるとか設定は斬新。重くなりそうな話なのに、ところどころにクスッとさせられるセンスが混ざってることで中和されてます。結末はしっかりと踏ん切りがつくもので良かったです

2019/08/29

[きっと]

作者買いの一冊。独特のテンポで話が進むのが好きで、今回もとても楽しめました。ラノベよりも文芸に近い気がします。寂しいような、それでいてじわっと温かくなるような素敵な物語でした。次の作品がまた楽しみです。

2019/09/15

[leo18]

ニートで友人の家に居候する颯は、亡くなった初恋の元クラスメイト紗耶香の夢を見る日々を送る。今作はテーマ性もあって独特の世界観は健在なんだけど、ちょっとパンチ弱めでおとなしめな印象。ダメンズ好きのマキちゃんの将来が心配。

2019/09/03