創元推理文庫<br> 007/カジノ・ロワイヤル【白石朗訳】

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創元推理文庫
007/カジノ・ロワイヤル【白石朗訳】

  • ISBN:9784488138097

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内容説明

イギリスが誇る秘密情報部で、ある常識はずれの計画がもちあがった。ソ連の重要なスパイで、フランス共産党系労組の大物であるル・シッフルを打倒せよ。彼は党の資金を使いこんで窮地に追いこまれ、高額のギャンブルの儲けで一挙に挽回しようとしていた。それを阻止し嘲笑の的に仕立てて破滅させるために、秘密情報部からカジノ・ロワイヤルにジェームズ・ボンドが送りこまれる。冷酷な殺人をも厭わない、ダブル0の称号――007のコードをもつ男。巨額の賭け金が動く緊迫の勝負の裏で密かにめぐらされる陰謀。007初登場作を新訳でリニューアル。/解説=杉江松恋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

64
いわゆるジェームズ・ボンドシリーズの第1巻として書かれた。MI6の特別工作員00ランクの7番目として登場したジェームズボンドがソ連のスパイであるル・シッフルをカジノの賭博で打ち負かし破滅させてソ連のスパイの末路がみじめであることを世に知らしめる、ことを目的にカジノロワイヤルに派遣されてバカラ賭博で勝負する、という筋立て。その後の顛末も含めて映画のジェームズ・ボンド像はまだ半分程度の出来上がりで、「人間味」のある人物像だ。これから次第におなじみの<荒唐無稽化><きわもの化>が進むのであろうか。G1000。2022/10/24

naoっぴ

55
007シリーズ第一作目、宝塚舞台化とのことで読んでみました。ソ連のスパイであるル・シッフルをカジノのギャンブルで打ち負かすという作戦で筋立てもシンプルでしたが、バカラの対決シーンの張り詰めた緊迫感はなかなかのもの。手に汗握りながら楽しめました。後半はヴェスパーとの関わりに焦点があたりロマンス小説のようにも思えたけれど、ラストで理性的なスパイ小説らしさが戻りよかった。このことでスパイとして生きていく決意が固まるのか。今後のシリーズも気になってきました。2023/02/18

ほりん

33
ソ連のスパイであるル・シッフルは、フランスの労働組合の会計係として活動していたが、組合の資金を使い込み、その穴をカジノで買った金で埋めようとしていた。この情報をつかんだ英国秘密情報部は、彼を破滅させようと、スパイ007をカジノへ送り込む…。有名な映画007シリーズの原作。007ことジェームズ・ボンドの初登場作。英・露・仏・米のスパイが入り混じって攻防を繰り広げ、ル・シッフルとボンドがバカラで勝負する前半は楽しかったが、後半は不自然さが目立った。ボンドに好感が持てなくて感情移入できなかった。2022/02/23

こまごめ

26
007シリーズの映画は全作品見た事あるぐらい好きなんですが、小説は本作が初めてです。007シリーズの映画は小説のタイトルだけ借りて中身は小説と全く関係ないと聞いたことがあるんですが、映画「カジノ・ロワイヤル」の後半はかなり本作の要素が入っていて面白く読めました。あの拷問シーンを映像化したのは素晴らしいですね。 シンプルなお話で読みやすかったです。2023/02/04

Shun

23
かの有名なイギリスはMI6所属のスパイと言えば、007ことジェームズ・ボンドでしょう。そんな彼が初登場する本作が新訳で読めます。映画でしか知りませんでしたが、原作は随分違った印象。割合俗物的な人物だと思いましたが、あとがきを読み納得。著者と親交のあったというあの探偵マーロウでお馴染みチャンドラーの影響がジェームズ・ボンドの造形に関わっていたとしたら興味深い。そして本作のあの結末が、その後の007の生き様に繋がっていくのだという発見がありました。お決まりの「ボンド、ジェームズ・ボンド。」は小説でも健在です。2019/11/28

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