内容説明
1874年春、ついに第一回「印象派展」が幕を開けた。自然や都市への新たな眼差しを共有する若き画家たちが自らつくり上げるグループ展――それは事件だった。観衆の戸惑い、嘲笑、辛辣な批評の一方で、のちの近代美術史に刻まれる数々の名作が産声をあげていく。カフェでの激論、支援者の拡大、仲間の死、そしてゴッホ、ゴーガン、スーラら次世代への継承。全八回の印象派展を丹念に辿る通史の決定版。詳細な文献目録を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
11
印象派について学ぶ上では必読本。リウォルドはパリ四大学でセザンヌについての博論をフランス語で書いた後、ナチスを逃れアメリカへ、英語で『印象派の歴史』を1946年に出す。そのせいか、英語版を読んでみると、語彙が妙にフランス語っぽい。さて、印象派を美術を改革した英雄たちとして讃える、物語的に面白い本でもある本書だが、いや本当に情報量がすごい。その後のあらゆる印象派画家物語のネタ本。もちろんその後70年間の美術史研究では、資料(手紙など)に語らせる「素朴実証主義」は批判されるらしいが、にしてもまずは読まないと。2022/12/31
chisarunn
7
下巻の感想を書くのを忘れていたので上巻の時何を書いたか忘れてしまった。とにかく全体を通して言えることは、それぞれのキャラが立った(この言い方は便利だ)人たちが、集まり、仲良くなり、もめて離れ、また引き寄せられるように集うそのありさまが、まさしく小説より面白く描写されていると言うことだ。もちろん、資料のミスとかはあるだろうが、これが全部事実なのだから本当に人間って面白い。アートに関わる人たちだからってわけじゃないだろう。人間、その愛すべき生き物よ。2021/07/31
tetsuya
2
今まで読んだ印象派関係の本の中で一番楽しく読めて為になった2020/01/05
汲平
2
訳文が読みにくい。これが最大の欠点。これを我慢して読み進めると、印象派を構成する芸術家たち、マネ、モネ、ルノワール、ピサロ、シスレー、ドガ、セザンヌらの生き様と芸術感が見えてくる。見た瞬間をとどめようとするモネ、抜群のデッサン力で人の動きを再構成して群像画を描くドガ、対象を一旦解体して絵が求める構図に合わせて再構成するセザンヌ。それぞれがそれぞれの天才を発揮することで印象派が多彩になると同時に分裂して行く。彼らを必死につなぎ止めようとするピサロ。だがスーラを見いだし印象派展に幕を引いたのも彼だった。2019/11/04
ワッカーパパ
1
影響を受ける側から与える側へ。下巻では満を持して開幕された第一回「印象派展」からスタート。画家それぞれの進化と考え方の違いによる分裂、ゴーガン、ゴッホ、ピカソに至る後進への印象派という財産の継承が詳しく書かれている。世界史の教科書にたった2行に纏められている印象派だが、上下巻合わせて800ページを超える本書を読破し、画家自身の人間性、印象派グループ内部や周囲の支援者・批判者との人間関係が良くわかった。特にこの時代全般におけるピサロの貢献度の高さを知っただけでも得した気分。良質の物語として読むことができた。2020/06/27
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