角川ソフィア文庫<br> 印象派の歴史 上

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角川ソフィア文庫
印象派の歴史 上

  • ISBN:9784044004835

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内容説明

19世紀パリ。美と絵画をめぐる伝統と権威に公然と反旗を翻した画家たちがいた。モネ、ルノワール、ピサロ、シスレー、ドガ、セザンヌ、モリゾ。光と色彩の新たな表現を信じた彼らは、やがて「印象主義」の名で呼ばれることとなる。偶然の出会い、友情、対立を超えて、グループ展の実現に奔走する若者たち。しかし第二帝政末期、戦火が忍び寄る――。世界的な第一人者が画家の証言や書簡、同時代資料を渉猟して描く、金字塔的通史。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みこ

14
印象派の歴史はこれまでモネ展やルノワール展といった特別展の音声ガイダンスで聞きかじった程度だった。本書は文字通り彼らの足跡を辿ったものだが、一部翻訳文に読みにくさはあるものの群像劇の小説を読んでいるような面白さを感じた。マネは彼らの兄貴分だと思っていたが、マネ自身が画壇で認められるのにもかなり時間がかかったんだな。2019/10/23

ラウリスタ~

11
印象派に関する情報は大体ここにある、必読本。年代順に書かれてあると見せかけて、意外と順番が前後したり、同じ話を別の角度から何度か書いたりするので、ちょっと混乱する時がある。1866年サロン、またも多くの落選者、ニューヴェルクルク伯爵へ落選者展開催嘆願書を書くセザンヌ、それは実はゾラの助けによるものと。画家たちは、このジャーナリストを頼り、1870年には新しい審査員リスト運動を画策(も失敗)。モネらを推しすぎたドービニーは他の審査員の不興を買う。1873年、つまり「印象派」誕生前年までで上巻は終わり。2022/06/06

chisarunn

8
実はまだ普仏戦争の部分があるのだけれど、どうせ下巻へ続くし、今日書きたい、書いてしまいたいと思ったので書いちゃう。予想をぐっと上方に裏切られて面白い!権力と癒着した既製のものに対抗していこうとする若い力、感覚、考え方を持った人たちが、出会い、尊敬しあい、別れがあったりまた出会ったり。クロードくんは孤高の天才で皆に支えられエドガーくんは不本意にも巻き込まれ、オーギュストは天然ちゃん!あれこれ妄想して幸せに疲れました。2021/06/24

Bashlier

5
4/5 研究者によって書かれた愛のあふれる作品。助走なしに詳細へ飛び込んでいくスタイルなので、印象派に関する基礎知識が下準備として求められます。細部への拘りが強すぎて冗長な箇所もあり、入門書としては不向きかもしれません。しかし、綿密な研究によって、作家達の人柄が透けて見えてくるような、臨場感のある作品に仕上がっています。教養としての美術から一歩踏み出して、深い知識をお求めになる方におすすめできる良作です。2023/03/05

ユビヲクワエルナマケモノ

5
印象派の画家達に関する本は、本邦での印象派人気もあって汗牛充棟であるが、「運動そのものの展開を叙述」した本は案外少ない。本書は印象派運動の展開を、厳密な歴史学の所作にのっとって叙述した労作。フランスの歴史家・クーランジュの原則「最良の歴史家とは、原文に最も近づき、それを最も公平に解釈し、それにのみ導かれて執筆し、思考する者のこと」をまさに地で行く精密な叙述である。それでいて無味乾燥ではなく、印象派の画家達の交流が生き生きと浮かんでくる筆致はお見事。上巻は1855~1873年まで。2021/10/20

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