内容説明
19世紀パリ。美と絵画をめぐる伝統と権威に公然と反旗を翻した画家たちがいた。モネ、ルノワール、ピサロ、シスレー、ドガ、セザンヌ、モリゾ。光と色彩の新たな表現を信じた彼らは、やがて「印象主義」の名で呼ばれることとなる。偶然の出会い、友情、対立を超えて、グループ展の実現に奔走する若者たち。しかし第二帝政末期、戦火が忍び寄る――。世界的な第一人者が画家の証言や書簡、同時代資料を渉猟して描く、金字塔的通史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
11
印象派に関する情報は大体ここにある、必読本。年代順に書かれてあると見せかけて、意外と順番が前後したり、同じ話を別の角度から何度か書いたりするので、ちょっと混乱する時がある。1866年サロン、またも多くの落選者、ニューヴェルクルク伯爵へ落選者展開催嘆願書を書くセザンヌ、それは実はゾラの助けによるものと。画家たちは、このジャーナリストを頼り、1870年には新しい審査員リスト運動を画策(も失敗)。モネらを推しすぎたドービニーは他の審査員の不興を買う。1873年、つまり「印象派」誕生前年までで上巻は終わり。2022/06/06
chisarunn
9
実はまだ普仏戦争の部分があるのだけれど、どうせ下巻へ続くし、今日書きたい、書いてしまいたいと思ったので書いちゃう。予想をぐっと上方に裏切られて面白い!権力と癒着した既製のものに対抗していこうとする若い力、感覚、考え方を持った人たちが、出会い、尊敬しあい、別れがあったりまた出会ったり。クロードくんは孤高の天才で皆に支えられエドガーくんは不本意にも巻き込まれ、オーギュストは天然ちゃん!あれこれ妄想して幸せに疲れました。2021/06/24
Bashlier
5
4/5 研究者によって書かれた愛のあふれる作品。助走なしに詳細へ飛び込んでいくスタイルなので、印象派に関する基礎知識が下準備として求められます。細部への拘りが強すぎて冗長な箇所もあり、入門書としては不向きかもしれません。しかし、綿密な研究によって、作家達の人柄が透けて見えてくるような、臨場感のある作品に仕上がっています。教養としての美術から一歩踏み出して、深い知識をお求めになる方におすすめできる良作です。2023/03/05
汲平
5
セザンヌはポスト印象派のイメージが強かったのですが、こんな初期からグループに加わっていて、しかも結構ほめられている!「下手だから巨匠になれた画家」とかいう評価は一部のものだけだったのか・・・。コローやヨンキントとも思った以上に密接な関係だったのね。勉強になります。いよいよ第1回印象派展へ!2019/10/25
午後
2
印象派があまり好きでないので読んでみた。ベテラン美術史家による膨大な資料に基づいた堅実な通史。巻末の文献目録に挿図の点数と印刷の良し悪しについてのコメントを添えてくれているのがとても嬉しい。世間の無理解と絵の具も買えない貧困生活などの苦労もあるが、ルノワールだけはずっと陽気。カフェ・ゲルボワで画家たちが集まって交わした会話の内容を知りたい。ヌーヴェルヴァーグは友人たちと映画についてしょっちゅう語り合う中で生まれた、とゴダールが言っていたのを思い出す。図版は少なく白黒なので、小学館『印象派美術館』と併読。2026/06/03
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