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内容説明
ヒトの依頼に応え続ける「自由ロボット」が抱える過去、半永久的に稼働し続ける超長期耐用ロボット「時間航行者」に与えられた秘密の任務、完遂に25万年かかるミッションを与えられた孤独なロボット……。ロボットたちがヒト以上の存在になったとき、彼らが目にするものとは?人類とロボットが迎える果てしなき未来の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
MICK KICHI
75
ロボット=AIにとって、幸せになる事とは? タイトルが全てを表す人類とロボットの壮大な未来史。アシモフ、クラーク、手塚治虫に匹敵するSFジャンルの金字塔だと確信する。 丹念に描かれた主人公たるロボットたちの姿は過酷なものだが、使命に従順であり続ける行動に感動を覚える。いつか日か人類を凌駕する存在になる事を予感させながら物語は続く…。 現時点から見た人類の未来像は種としての行く先を思えば思うほど、あまりにも脆弱なものに思えてしまうほど、AIの集合意識に託してみたい未来がある気がする。 2019/10/19
鱒子
65
この上下巻は今年度読んだ本の上位です!! ーー滅びるからこそ、うつろうからこそ美しい。でも同時に寂しくてやるせなくて仕方ない…… 「サピエンス全史(ハラリ著)」を読み、本書を読みましたが、前史と全史かぁ、うーん正直言って近親感はないな、全く別物です。“前”と付くからには黎明期なのでしょう、ならば“後”記が欲しいです(シマトラさん描いて〜)。人の手を離れたロボットが独自に見出す幸せとは一体なんだったんだろう?それは人類の脳髄でたどり着けるものなのだろうか?この深淵な世界の続きが読みたい読みたい。 2019/10/31
天の川
46
核廃棄物の放射能が無害化するまでの25万年間、施設を管理するミッションを与えられたロボット恩田カロ子。人類が住める地球型惑星を探査するために6000年の宇宙の旅に出るクロエとトビー。ミッションをプログラミングされた3人は粛々と任務をこなす。そして人類は滅び、すべてのロボットたちは地球を離脱(意識だけがデータとして宇宙に拡散する手法で)するのだ。地球の歴史は輪廻する。全編を通して寂寥感や無常感が漂う中、幸福な気持ちも感じるのは、第二のミッション「幸せになりなさい」が木霊のように響くからだろう。2021/12/09
hiace9000
42
「人間らしさ」とは何かを問う本作。上下巻合わせても読了に要する時間はごく僅か。されど読後感は壮大な時空間を旅したインターステラー。近い将来、AIやロボットは人間のできることをきっと超える。その中でも残される「文化」や「人間らしさ」とは何か。消え去るであろう「ジェンダー」や「格差」についてのくだりも印象的。「幸せになりなさい」というミッションを解釈したロボットの思考こそ、ホモ・サピエンスの結論かと。様々な分野で進むDXは、ますます人間とロボットとの自然な共存をもたらす。正に今が「前史」その時なのだろう。2021/10/24
neimu
41
上巻と打って変わって動きのある詰め込まれた感溢れる表紙。ロボット達に与えられた裏ミッション、人間が託す事を彼らはどう受け止めていくのだろうか。何故ロボットは生まれたのか、どう生きていくのか、人間の代わりに何をするのか、何が出来るのか、そもそも人間は何だったのか。気の遠くなるような時間の流れの中で、変わらないもの、そんなものを信じたのだろうか。「幸せ」は誰にとって何にとっての幸せなのか、それを掴むだろう事を信じて願って祈って人類は先に滅んでいくのか。老い先が見え、体が動きづらくなってきた今、切実に考える。2025/10/29




