新潮文庫<br> カリ・モーラ(新潮文庫)

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新潮文庫
カリ・モーラ(新潮文庫)

  • ISBN:9784102167106

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内容説明

マイアミに暮らす美貌のカリ・モーラは25歳。故国のコロンビアでの凄惨な過去を背負い、移民として働きながら、獣医になることを夢見ている。彼女は麻薬王の邸宅管理のバイトがきっかけで、屋敷に隠された金塊を狙う犯罪集団の作戦に巻き込まれ、彼らと対立する臓器密売商の猟奇殺人者シュナイダーの妄執の的にもなってしまい――。極彩色の恐怖と波乱の展開に震える傑作サイコ・スリラー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

387
これまでに成功を収めてきたレクター博士のシリーズとは全く独立して新たに書かれたもの。訳者(高見浩)は、ニューヒロインのカリ・モーラの誕生に興奮気味のようで、新たなシリーズの開始を期待しているようだ。だが正直なところ、どうも「ハンニバル」が持っていた息詰まる緊張感の連続といった特徴はここでは発揮されてはいない。登場人物もやたらに多い上に、肝腎のタイトルロールたるカリ・モーラの活躍場面は最後のシーンくらいしかない。彼女の過去を含めて魅力的ではあるが、残念ながら読者を熱狂させるほどとは言い難い。2022/04/23

Kircheis

323
★☆☆☆☆ トマス・ハリスがレクターの登場しない新作を書いたと聞いた時、楽しみと不安が半々だったが、がっつり不安の方が的中してしまった。 ヒロインはタイトルになっているカリ・モーラ嬢だが、他にも様々な登場人物(と動物1匹)の視点で物語は紡がれ、群像劇のよう。大概はクズ野郎ばかりで良さそうな人間は2、3名。特にボスキャラのシュナイダーはサイコパス度が高いだけでレクターのような悪の魅力的なものも全くなく、ただ胸くそ悪いだけであった。 全体としてチープなサイコサスペンスという印象が拭えなかったのが残念。2023/04/05

こーた

237
映画を観ているように、すっと入ってくる。サスペンスの演出からアクションに至るまで、カット割りまで手に取るようにわかる。米国と中南米を巡る国際情勢や、実在した麻薬王など、現実をスパイスに展開されるショーは、あとがきにもあるように、さながら悪の見本市だ。小悪党から闇の世界を牛耳るドン、さらには猟奇殺人鬼まで、よくもまあ次から次へと、悪党たちが金塊に群らがる。そんなむさ苦しい男どものなかにあって、ヒロインのカリ・モーラだけが超然として美しい。ささやかな幸福を手に入れるべく、現実に抗おうと奮闘するも、不気味な⇒2020/05/23

starbro

214
久々のトマス・ハリスということで、期待して読んだのですが、エロスもグロテスクもスリラーも中途半端で大変残念な内容です。新たなヒロインの誕生かと思ったのですが・・・ トマス・ハリスも老いてしまったのでしょうか?【読メエロ部】2019/09/06

ケンイチミズバ

137
ストーリーは80年代TVの マイアミバイス風。主人公カリはアニメ、ブラックラグーンのキャラ、コロンビア革命軍の元女性兵士ロベルタ。ハンニバルを期待して読むと肩透かしに会う。重厚さはない。犯人にたどり着いた記者を車椅子に縛りガソリンをかけて火だるまにして坂道から転がす美しいシーンもなく、純真無垢な盲目の女性に体を触れら初めて愛を知るサイコキラーが善と悪の間を往き来し悶える、シェークスピアのような内面世界の描写もない。マフィアと変態サイコキラーと女性兵士とマイアミ警察。面白かったけれど残るものは大してないな。2019/08/26

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