第6の大絶滅は起こるのか - 生物大絶滅の科学と人類の未来

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第6の大絶滅は起こるのか - 生物大絶滅の科学と人類の未来

  • ISBN:9784806715771

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内容説明

地球誕生以来、5回、地球上のほぼすべての生物が死滅した。
なぜ生物大量絶滅は起きたのか?
気鋭の科学ジャーナリストが、
地質学・古生物学・宇宙学・地球物理学などの科学者に直接会い、
現地調査に加わり、化石を掘り起こし、
大量絶滅時の地球環境の変化を生き生きと描く。
そして今、気候変動の引き金をひきつつあるわれわれ人類は、
過去の大量絶滅から何が学べるのか――

●読売新聞5/5(日)本よみうり堂欄で紹介されました。
筆者は加藤徹氏(中国文化学者、明治大教授)です。
●日本経済新聞5/4(土)読書欄で紹介されました。

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各紙誌大絶賛!

ニューヨークタイムズ紙エディターズ・チョイス受賞(2017年)
フォーブスのベストブック・トップ10(2017年環境・気候・保全部門)

地球の未来について多くのことを教えてくれる、遠い過去への、驚くべき旅
――ガーディアン紙

洞察力、緊迫感、説得力にあふれている。
重要な教えを説き、過去に起きたことをよりよく理解すれば、
われわれがこれから進むべき道を決めるのに、どれだけ役立つかという論拠を示している。
――ボストン・グローブ紙

思わず引きこまれてしまう。
ブラネンは失われた世界を生き生きと描き出すのが得意だ。
――ザ・ニューヨーカー

意義深い本だ――過去と現在を効果的に結びつけ、未来を予測し、
気候変動に直面しながら何もしない現状に警告を発する。
――パブリッシャーズ・ウィークリー

ブラネンは、オウムガイが支配したオルドビス紀の世界をよみがえらせる名手であり、
学術論文の化石のように硬い文章に生命を吹きこんで、わかりやすく説明する名手でもある。
――ニューヨーク・タイムズ紙

目次

序章

第1章 物語の始まり
カンプリア燥発が引き起こした最初の大量死
海水中の酸素量の急激な増加

第2章 オルドビス紀末の大絶滅【4億4500万年前】
北アメリカで一番化石が豊富な場所
4億5000万年前の海底で化石採集
オルドビス紀の海と大陸
超絶大噴火と生物多様性のビッグバン
殺人光線、ガンマ線バースト仮説
氷河湖の決壊による大洪水
気候を支配する二酸化炭素
大気中の二酸化炭素と山脈の浸食と石灰岩
逃げ道のない地形
酸素の増加で死滅した生きものたち
オルドビス紀末に戻ってきた海

第3章 デボン紀後期の大絶滅【3億7400万年前、3億5900万年前】
何度もあった絶滅のピーク
ギルボアの化石の森
陸上に進出した樹木が引き起こした危機
交錯する証拠
ハイウェイ脇の氷河に削られた岩
デボン紀の海の王、ダンクルオステウス
海から逃げ出した私たちの祖先
陸上への第一歩
超大陸パンゲアと侵入種―生物多様性の喪失
陸上植物と人間がもたらすもの

第4章 ペルム紀末の大絶滅【2億5200万年前】
チワワ砂漠に葬られているペルム紀の生きものたち
「グレート・ダイイング」を追う古生物学者
殺し屋は宇宙から?
カルー砂漠の骨
地質学を一変させた大陸移動説
化石燃料を焼きつくしたシベリアの洪水玄武岩
シベリアトラップの再現
大最絶滅の「オリエント急行殺人事件」理論?

第5章 三畳紀末の大絶滅【2億100万年前】
故障した地球のサーモスタット
回復した生きものの世界
疑わしいクレーター
再び火を噴いた大地
気候変動で傷ついた生きものたち
謎の生きもの、コノドント
消えたサンゴ礁
三畳紀末と現代の相違点
次の時代の主役

第6章 白亜紀末の大絶滅【6600万年前】
恐竜とともに絶滅した生きものたち
化石が皆無の粘土層
謎めいた無秩序な岩石
衝突クレーター発見の物語
一瞬の出来事
衝撃の大きさ
マヤ文明とクレーターをめぐる旅
爆心地へ
再び洪水玄武岩―デカントラップ
続く論争
チクシュルーブ衝突が火山活動を誘発

第7章 更新世末の大絶滅【5万年前―近い将来】
めまぐるしい気温の変動
ホモ・サピエンスの移動のあとを追う絶滅の波
オーバーキル(過剰殺戦)説
ヒトがシヨートさせる地球システム
海で起きていること
人類が滅ほした生物種はたったの800
ネットワークの崩壊

第8章 近い将来
人間の生理機能の限界
気温はどこまで上昇するのか?
2100年以降の世界
テクノロジーの未来にある脅威
人類が次の氷期の開始を遅らせる?

第9章 最後の絶滅【今から8億年後】
再編される大陸
地球は幸運な星なのか


謝辞
訳者あとがき
参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まいこ

28
良質の長編映画を一本見たような読後感、それぞれの時代の巨大噴火や隕石の嵐、溶岩の津波の映像が脳内で再生されるようで、最後まで没入して読んだ。繰り返される大絶滅は主に巨大噴火等地球の活動による気候変動によるものだが、例外はデボン紀と今。デボン紀は植物が上陸し海に栄養塩を大量に解放し富栄養化したことと、大量に光合成し大気中の二酸化炭素濃度が下がりすぎ寒冷化したことによる。 現在進行中の大量絶滅はヒトが出アフリカし地上の大陸にくまなく拡散し家畜以外の種を絶滅させてきたことによる。近代、化石燃料を燃やし2022/06/19

haruka

18
地球誕生以来、5回、地球上のほぼすべての生物が死滅した。なぜ大量絶滅は起きたのか?オルドビス紀、デボン紀、ペルム紀、三畳紀、白亜紀。私たち生物は太陽のエネルギーの余った分を、常に貪り自身の拡大に使う。調子に乗って使いすぎると他の何かが被害を被り、危ういバランスが崩れて絶滅は簡単に起こるのだ。面白かったのは、一瞬の間氷期に驚くべき発展を遂げた私たちは早春の中ではなく、6度目の絶滅の最中に存在するのではないかとする説。そして今の温暖化は、次の氷期をスキップさせたのではないかという説の考察。かなりの読み応え。2022/04/25

hal

8
日本語タイトルがトンデモ系本っぽいが、科学ジャーナリストによる「五大絶滅」をテーマにした真面目な本です。著者は、色んな学者とインタビューだけでなく、一緒に発掘までして、その模様も描きつつ、生き生きと絶滅について語っています。北アメリカには、かつてライオンやシマウマや馬もいて、ラクダはこの大陸生まれだったというのは、初めて知りました。「人間は自然と調和して暮らしたためしがない」とは名言です。それでも、人類が滅ぼした生物種は「たったの800」で、かつての「大絶滅」に比べたら大した事ないそうです。2019/04/27

ノリピー大尉

6
地球の歴史の中で、大量の絶滅は何回も起きており、そのうちで大規模なものを五大絶滅という。恐竜の絶滅もその一つだった。 これらの絶滅の多くに共通していることは、大気中の二酸化炭素が急激に増加したことである。 そして現在も、大規模絶滅を同じようなスピードで大気中の二酸化炭素が増加しつつある。2022/12/25

マグロのお刺身

5
読み友さんの感想からだったはずだけど感想が見当たらないいつこの本と出合ったんだろう?。 第六の大絶滅は起こるのかと言う題名をもとに恐竜の化石についてのことだったり温室効果ガスのことだったり地質学だったりと色々な分野から見て第六の大絶滅が起こるのかについて調べている。 地学的には一瞬と言うセリフが好き2023/04/28

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