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内容説明
1953年、初の民間テレビ放送局・日本テレビ放送網が開局してテレビCMの時代が始まった。しかし、その草創期の姿はナゾに包まれ、これまでほとんど実態が分かっていなかった。本書は、そんな知られざる草創期のテレビCMについて、数々の発掘資料を駆使してその実態に迫っていく。ほとんど誰も覚えていないであろう無名の発掘物たちから、どんな歴史が見えてくるのか? 豊富な画像と分かりやすい解説で解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
83
図書館で見つけて。テレビ放送が始まった当時のテレビCMを発掘し解説する。これは日本文化史でもあり社会史でもある。今では考えられないような商品のCMがあったり(なんと猟銃もある)、描かれるシチュエーションもビックリするようなものだったり。高度成長の中で工業や技術が礼賛されていたり。アメリカ統治下の沖縄用のCMがあったり。今まで見たこともないCMが画像も含めて紹介されていて、実際のCMを見たくなる。この時代を知るにはとても貴重な記録だと思った。もっともっと忘れられたCMはあるんだろうな。2022/01/18
佐島楓
72
古いテレビ文化に興味があるのでとても面白かった。ガス冷蔵庫とかまったく知らない……。CMアニメのキャラクターデザインのセンスなどはかえって新しく感じるような気さえする。購買意欲がシンプルだった頃の日本人の原点を垣間見られた。アーカイブス見てみたいな。2019/08/17
bura
57
読み友さんのレビューを見て。CMは時代を映す鏡だが、テレビ草創期に作られ倉庫に埋もれていた正に名もなきCMたちが昭和30年代の日本そのものを浮かび上がらせてくれる。タバコは勿論、紙コップジュース販売機や豆炭アンカ、果てはトランキライザーや猟銃まで!こんなCMがあったのか、と驚かされる。当時の人々の当たり前が今、こんなに貴重な映像として一冊の本となり語られる事が素晴らしい。映像データは同志社大学に保管され、一般公開はしていないのだが、願わくばアーカイブを開放して誰でも見れる様にして欲しい。2022/02/19
へくとぱすかる
54
フィルム制作だったために奇跡的に残された、草創期のテレビCMからは、まさに「三丁目の夕日」の時代の社会が浮かび上がってくる。戦後の日本は、ゆるやかに変化する社会が持続したように思いがちだが、このようにまざまざと見せつけられると、人々の考え方・感覚などは、全く入れ替わってしまったように感じる。別世界のようなものだ。初期のCFにフルアニメが多用され、CFが日本のアニメの発展に大きな寄与をしたことは、特筆すべき。2019/07/22
ホークス
53
2019年刊。草創期(1955〜65年)のTVCMには結局広まらなかったり、今は考えられない提案が様々あった。動画の公開は難しいらしいが、写真でも十分面白い。60才の私も知らないCMばかり。ほとんど考古学だ。今やレトロな食品自販機(サンドイッチ等)が最先端の扱い。雪印乳業はうどんや蕎麦にバターを入れるメニューを推奨。精神安定剤の市販品、警視庁による110番周知、電通の企業CMまであった。演出面では、意外に本格的なアニメーションが作られていたり、生放送と上手くつなげたりと興味深い。じっくり動画で見てみたい。2022/05/03
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