―<br> 本業転換‐‐既存事業に縛られた会社に未来はあるか

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本業転換‐‐既存事業に縛られた会社に未来はあるか

  • ISBN:9784046041937

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内容説明

あらゆる業種・業界に、“本業喪失”の可能性がある時代。
企業は、どのような経営戦略を考える必要があるのだろうか。
  *  *  *
欧米であれば、IBMのように大胆な事業売却やM&Aで事業構造を変えた例は少なくない。
しかし日本では、そうした事業の組み換えは容易ではない。
そんな日本にも「本業を変えることで、生き残った企業」がある。

たとえば、写真フィルムが事実上消滅した富士フイルムは、「いつ」「何」をどう決断したのか。
紡績を担っていた日清紡が、なぜブレーキやエレクトロニクスの会社に転身できたのか。

本書では、難しいとされる本業転換を行ってきた企業と、
同じ業種に位置しながら、転換がうまくできずに倒産・解体されてしまった企業の
戦略の違いを探ることによって、本業転換を成功させるポイントを探っていく。

本文で取り上げる主な企業は、

1 富士フイルムホールディングス vs. イーストマン・コダック
2 ブラザー工業 vs. シルバー精工
3 日清紡ホールディングス vs. カネボウ
4 JVCケンウッド vs. 山水電気

の4ペア。
実際の企業事例をベースに、「本業」というキーワードを通して、
これからの企業のあり方・あるべき姿をも問い直す一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kentaro

40
コダックは写真フィルムの成長期に医薬品事業へ多角化し、フィルム以外の利益確保の備えをしていたが、成長期の写真フィルム事業で十分な利益が出ていたため、中長期視点で医薬品事業を伸ばすという判断をせずに、事業売却に至った。一方富士フイルムは、多角化・海外展開という戦略の方向は変えていない。1981年にX線画像診断システムの開発を発表し、1988年には米国に工場を造り、米国でシェアの拡大。X線画像診断装置をはじめとするメディカル関連分野の研究開発は継続しており、カメラ・フィルム事業に集中する戦略はとらなかった。2020/02/12

大竹 粋

7
お仕事で本気モードで速読。やはり、山田英夫はとても良い。わかりやすく、現場感覚が感じられる素晴らしいセンス。マジで実務に適応出来そうな気にはさせてくれる。2022/07/26

tkokon

5
【タイミングと時間軸】○衰退は一気に生じるものではなく、波動をもって忍び寄る。○本業比率と平均年齢の2つの指標には、相関がある。○回収期間の長さの違うビジネスを、社内に抱えられたか否か。○存続企業に共通する点は、本業の需要が安定している時期に、多角化を始めたということ。○市場の漸減よりも急減のほうが、組織の力は集中される(富士フイルム)●成功企業を跡付けで評価する「後知恵バイアス」から完全に免れ得ないが説得力はある。違う時間軸・違う収益水準の隣接地に辛抱強く。わかっていてもなかなか難しい(Kindle)2020/08/28

人工知能

5
富士フイルムとコダックの比較が面白かった。コダックも意外なことにデジカメを早くから販売しておりフィルムがなくなる未来は見えていた、更には医薬品にも参入していたにも関わらず、恐らくは株主からの短期実績圧力に屈してフィルムに集中する戦略を敢えてとった。一方富士フイルムはこちらもフィルムの原材料であるゼラチンや写真の色あせ=酸化を防止する技術を活かしてアンチエイジングに参入したりM&Aで創薬にも参入した。こちらは多角化の動きを止めなかったことで今がある。自らの強みをベースに多角化を図ることの成功例が学べる。2019/07/31

クリアウォーター

3
★★★★☆本書は、難しいとされる本業転換を行ってきた企業と、同じ業種に位置しながら、本業転換が上手くできずに倒産・解体されてしまった企業の戦略の違いを探ることによって、本業転換を成功させるポイントを探っている。事例研究として4つのケースを紹介している。富士フイルムvsコダックやブラザー工業vsシルバー工業など有名なものばかりである。本書の中で本業転換の難しさが書かれている。また、事例研究では衰退した企業が何もしていないわけではないことも書かれている。紙一重なのだが、だから難しい。決断できる経営者は凄いな。2022/04/25

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