内容説明
著者が2015年に『嫌老社会を超えて』を出版し、世代間闘争や暴走老人に警鐘を鳴らして約1年半。老人による交通事故報道が後を絶たず、2017年には改正道路交通法が施行されました。100歳以上の高齢者が6万人を超え、団塊世代が70歳を迎える今、新たな「老い方」を考えることは日本にとって、私たち一人ひとりにとって最も重要な課題であるといえます。しかし、「高齢になっても元気に前向きに」は誰もができることではありません。老いに抗わず、等身大に受け止め、工夫して楽しむ。「嫌われる、迷惑をかける老人」にならないなど「賢老」という生き方のために日々実践できることを、84歳の著者自らの体験も交えながら綴った1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
87
下山の思想に嫌老感。超高齢社会ならではの産業活性化。今を捉えてままよと生きる方策を探す五木氏の著作。登山で下山は重要な力いる行為。今の日本はそれを行なっているがその思想は持ち得ているか?嫌老感の蔓延、空気感が老人階級と称されているが、鬱憤が爆発しないか?老人が社会参画し貢献が要では?例えば年金を貰っていて車で突っ込むTVニュースを見た若者はどう捉えるか等考える時。それに不満言うならば、老人ならではのアイデアで良きクルマや意見や発想を展開すべきでそれが社会参画では?と問う。舌鋒鋭い面あるが興味深い意見が多い2019/05/06
zero1
68
【斜陽の国、日本】を老いと重ねる著者。孤独を楽しみ前向きの呪縛から解放される生き方は逆説的。老いは諦めで下山を意味する。多くの人は登ることばかりで下山について考えない。後半は【嫌老】と世代間闘争の恐れについて述べる。老人は選挙権や年金を放棄すべきと著者は主張(後述)。今の日本が危機を見ない【心配停止】状態だとの見解。【老人産業】で日本の巻き返しはあるのか?📚️薄い新書なのですぐ読める。ただ内容については疑問あり。2023/12/17
ちゃとら
61
人生の四つの季節。人生の後半戦は諦めることが必要。諦めるとは、明らかにきわめる事。日本も下山の季節に入っている。興味深い面白い本だったが、ラストで癒しは回想と言っている事に違和感を感じた。80代後半になるとそうなるのか⁈B.OFFで入手したこの本。所々にふにゃふにゃな線が引かれていた。私の嫌いな書込み、しかもふにゃふにゃ🌀この手の本に書き込みが多い💢ストレスになるので、この本は手放そうと思います。2023/10/21
びす男
53
4人に1人は高齢者の時代。「折り返し地点」を過ぎた後半生をいかに楽しむか。著者は「孤独を喜べるかどうか」が大事だと唱える■前半は、老いに抗うだけが全てではないと、無理のない選択肢を示す。後半は、高齢者という「階級」に反感以上の「憎しみ」が向けられる未来を防ぐための、より社会性ある内容だった■若干タイトルから乖離していく感じもし、「投票権を委譲してみては」「シルバービジネスの主導権を握れ」と、活躍するべきか、引き下がるべきか、よく分からない面も。ただ、本はあくまで人の生きる肥やし。何を選ぶかは読者次第だ。2019/10/24
Tadashi Tanohata
42
1932年生まれとある。いつ拝読しても、凛とした真っ直ぐな表現に背筋が伸びる。人生「青春」「朱夏」そして私、58は「白秋」か。ただこの作品の「玄冬」のこともよく分かる年齢に。前読の「本地垂迹」が「神仏混淆」と紹介されていた。読書冥利に尽きる瞬間を味わった。先生の覚悟も拝見、益々お元気で。2018/05/17
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