内容説明
戦後最大の疑獄事件に挑んだ特捜検事の奮闘! この捜査には検察20年の威信がかかっていた。今こそ司法のメスを! 1976年2月5日朝、ひとつのニュースが日本全国を駆け巡った。大物政治家、戦後最大のフィクサー、大企業が絡んだ疑獄事件が発覚したのだ。国民と同時に事件を知った特捜検事は、その底知れぬ深さに戦慄を覚えながらも、頂をめざして進むことを決意した。巨悪vs.正義の知られざる攻防がいま明らかに! 国家権力の闇に挑む!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
8
ロッキード事件において、ロ社の社長コーチャンの尋問を担当した堀田力。いわば、アメリカ側の捜査を本書は描いている。日米のルール差、政界におけるパワーバランス、先行するマスコミ報道などなど、数々のまさしく壁を、少しずつ崩していく様が、本書の読み処だろう。大阪地検特捜部による証拠品改ざん事件が世間を騒がす中で読むのも皮肉だが、だからこそいいタイミングの読書だったという気持ちもある。2010/10/22
うたまる
1
タイトルにある”壁”とは、①国をまたぐ捜査の困難さ、②情報開示を迫る政治家の圧力、③時効までのタイムリミット、のことで、それらを熱意と知恵で乗り越えていくのが本書の醍醐味。当事者の回顧録だけに臨場感があって面白い。面白いんだが、一点不満がある。それは捜査に協力してくれた米当局に対する著者の手放しの賛辞の言葉。「やっぱりアメリカの捜査官の正義感は、国際的で広いなア」余りの能天気さに脱糞した。日米修好通商条約の不平等性に始まり、東京裁判での戦犯の処刑、そして日米地位協定下での米兵の逃げ得の数々を知らないのか?2012/09/30
くしもと
1
上巻読了。検察の海を越えたアメリカとのやり取りが焦点。当時の検察の苦労話といった感があり、やや一般性に欠けるか。下巻に期待。2010/05/31
ゴリゾウ
0
戦後最大の疑獄事件に挑んだ特捜検事の奮闘! この捜査には検察20年の威信がかかっていた。今こそ司法のメスを。 1976年2月5日朝、ひとつのニュースが日本全国を駆け巡った。大物政治家、戦後最大のフィクサー、大企業が絡んだ疑獄事件が発覚したのだ。国民と同時に事件を知った特捜検事は、その底知れぬ深さに戦慄を覚えながらも、頂をめざして進むことを決意した。巨悪vs.正義の知られざる攻防がいま明らかに!(Amazon.co.jp) #1953-12010/02/16
かいのすけ
0
不起訴宣明あたりのくだりを見るに、現行の実定法だけを見て法の沿革というものを軽視してはいけないな2019/11/29