講談社文庫<br> 水よりも濃く

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講談社文庫
水よりも濃く

  • 著者名:吉川英明【著】
  • 価格 ¥785(本体¥714)
  • 講談社(2019/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062649438

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内容説明

娘の交通事故死をきっかけに、アルコール依存症になった妻。もともと夫婦の仲がしっくりしていなかった夫は、年下の美しい女性と出会い、恋に落ちてしまった。家庭では満たされない心の癒しを恋人に求めた男の行き着く先は? 夫婦、家族、恋人、愛のあり方を真摯に問い、その本質を追究した傑作恋愛小説。夫婦とは? 愛とは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みも

31
お互いの傷を舐め合う様に、必然的に惹かれあい求めあう二人。不倫を描いた小説であるが性的に露骨な表現は一切無く、匂いや音や気配だけで感じさせる曇りガラス越しに見るシルエットの様な筆致。微妙な感情の機微を繊細に描き、理性的で静かな熱情が作品を上品にしている。常識的な終焉は現実的で良かったと思うが、立場や男女の相違により感想は異なるだろう。情景描写が実に美しい。例えば、軽井沢で迎える雨後の早朝「しとどに露を載せて、白銀色に光る雑草が裾を濡らす。降るような小鳥の囀りを浴びながら、明彦は深く息を吸った。空気が甘い」2016/10/13

AICHAN

28
図書館本。吉川英治の息子の作品だと知って借りた。父のような奔放華麗な筆致はなく繊細に綴るタイプのようだ。アルコール依存症の妻。年下の恋人。つまり不倫。揺れ動く男心。夫婦・家族・愛のあり方を真摯に問う作品。 しかし露骨な表現は皆無で、渡辺淳一などとはそこがまるで違う。川端康成の『雪国』が想い起こされた。著者は元NHK記者で書店経営をしていたようだ。これが初作なのかどうかはわからない。もっと書いてほしい作家だと思った。タイトルをもう少し捻ってほしかった。このタイトルでは結末の想像が付いてしまう。2016/11/03

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