内容説明
ウェブメディア「cakes」の人気連載が書籍化! 山小屋にお風呂はある? 腹が立つお客さんはいる? スタッフの人間関係は? 北アルプスで10年働いた著者が隅から隅まで描く山小屋生活。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
86
随分前になるが、山歩きをよくしていた。テント泊もあったが、山小屋によくお世話になった。そんな山小屋での日々を、余計なてらいもなく書かれていて、読んでいるこちらまで楽しくなってくる。山小屋で働く人たちにも、いろいろな人がいるし、さらに、そこにくる登山者にも、いろいろな人がいる。果たして、自分は、どんな登山者だっただろう・・と、ふと思い返す。人との距離が、ぐっと近くなる世界だったなあ~。中に出てきた北穂高岳の小屋が懐かしい。2021/09/19
じょんじょん
72
実に心が軽くなる爽やかな読後感でした。社会不適合と思っていた著者が友人との軽い会話から飛び込んだ山小屋世界に思った以上に適合して10年間過ごしたエピソードを綴ったエッセイ。単なる思い出集ではなく、ひとつひとつの話の中に著者の繊細な気づきや優しさ、信念がちりばめられていて、自分もこのような気づきの多い暮らし方、感じ方をしたいものだと思いました。自分も若いときは山歩きが好きでしたが、もっぱら日帰りの低山が多く、山小屋泊経験はありませんので山小屋の様子、働く人たちの様子が手に取るようにわかり、楽しめました。2020/04/08
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
70
山小屋ガールという言葉につられて読んだ。著者は、登山もしたことがない。スポーツもアウトドアもしないし、自然にも興味がない。それなのに、北アルプスでの山小屋でアルバイトをすることに。先入観なしの山小屋生活、10年間を綴る。「歩荷さん」「風呂」「クマ」「山小屋で起きた不思議な話」など興味深い。人生を変えた山小屋のことを多くの人に知ってもらいたくて書かれた1冊。2019/12/13
キク
67
こないだ塔ヶ岳の尊仏山荘に泊まった。チェックイン16時、夕食17時、消灯20時、朝食5時、チェックアウト7時でオールシーズン夕食はカレーで朝食はおでん定食、シャワーはなしという通常の宿泊施設とはえらく違う営業形態だった。で、山小屋の日常が気になったので読んでみた。とりあえず、北アルプスの山小屋がどうやって運営されているのかはわかった。ただ、ちょこちょこ挟んでくる著者の個人的な主張が、気になるといえば気になる。山小屋の紹介に徹するか、もしくは山小屋ガールのエッセイにふりきっちゃったほうが読みやすかったかも。2022/11/12
Kei
65
山小屋で働く人達は、生粋の山男、山女と思っていました。が、現実は、多種多様な理由で働く季節労働者で、経営はグループ母体、のように、へぇ〜、みたいな事いっぱいで、楽しめました。山にいる人って、つい屈強な精神力の持ち主と思ってましたが、著者は、普通どころか、ヨロヨロで、そこも共感大でした。ロマンチックな自身の恋愛にも、とってもフラット。(笑)なにごとにも、人として、が清々しかったです。2019/11/03