<凡庸>という悪魔

個数:1
紙書籍版価格
¥1,760
  • 電子書籍
  • Reader

<凡庸>という悪魔

  • 著者名:藤井聡【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 晶文社(2019/06発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794968197

ファイル: /

内容説明

「思考停止」した「凡庸」な人々の増殖が、巨大な悪魔=「全体主義」を生む。21世紀の全体主義は、ヒトラーのナチス・ドイツの時代と違い、目に見えない「空気」の形で社会を蝕む。ハンナ・アーレント『全体主義の起原』の成果を援用しつつ、現代日本社会の様々な局面で顔をのぞかせる、「凡庸という悪」のもたらす病理の構造を鋭く抉る書き下ろし論考。思考停止が蔓延する危機の時代に読まれるべきテキスト。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

29
旗幟鮮明。これは、対話の本ではない。「ヤツラ」を名指しし、ヤツラのような思考停止に陥るなというアジテーションである。全体主義=テロル、大衆の「俗情」が産み育てるもの…そんなアーレントの思考たちを、いじめ、「改革」、新自由主義、グローバリズムと現代の対象に適用することで、読む人に「わがこと」と考えさせようとしていく。◇「思考停止」している人は、自分が思考停止しているとは考えていない。むしろきっと、人一倍勉強してると思ってる。ヤツラに向き合うために必要なのはまず自分に自信を持つこと。そこまで、危機は迫ってる。2015/08/15

ロア

28
思考停止した凡庸な人々の増殖が、巨大な悪魔=「全体主義」を生む◉とにかく改革すれば全てが良くなる!という『「改革」全体主義』◉自由な市場で人々が自分だけの利益を追求すれば、最適な状況が達成される!という『「新自由主義」全体主義』◉地球はひとつの共同体!世界を一体化し自由経済を進めよう!という「グローバリズム全体主義」。。。今となっては止めようがないし、もう元には戻れない。最後には破滅が待っているんだなぁ( ´⊿`)◉全体主義現象の7つの特徴①思考停止②俗情③テロル④似非科学⑤プロパガンダ⑥官僚主義⑦破滅2018/02/24

テツ

18
ハンナ・アーレントの思想を説明しながら語る、グローバリズムという聞こえのいい言葉を隠れ蓑として蔓延していく今日の世界の危険なモノ。思考停止して大多数の人間が凡庸な考えに浸ることを是としたときに全体主義的な香りはたちこめてくる。場の空気や周囲の顔色によって思考を止めてはならないし、最も軋轢がなさそうで無難な答えを適当に選んではならない。どうやら新自由主義とかグローバリズムは一般民衆をそれほど幸福にはしないという気づきの先に世界は何処に向かうのか。2021/07/12

ネコ虎

7
著者の指摘にほとんど全て同意。新自由主義批判、グローバリズム批判等々。そして凡庸なる大衆人に罪があることも首肯する。確かにそうではあるが、極端にそれを言い募られると少し怖い。凡庸なる大衆人の「罪を告発する」という全体主義の危険性はないのだろうか。今の左翼はまさに藤井氏の指摘つまり戦前戦中に何もしなかったと反省し、せっせと強迫的に左翼活動をしているのではないか。また全体主義概念を拡張し過ぎの感あり。世の中の問題は全部「〇〇全体主義」とのレッテル張り。これでは饅頭三つ食うと死ぬまで長生きするという話と同じ。2016/02/06

Ex libris 毒餃子

6
凡庸という思考停止状態が全体主義へとつながる、という説を具体的な例を使って説明した本。新自由主義経済については同意するところもあるがグローバリズムについてはいまいち同意できない面もあった。2015/07/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9709348
  • ご注意事項