内容説明
小田原、熊本、愛媛、徳島、大阪、長野、富山、青森、仙台、能登、輪島。さまざまな困難が襲い掛かるサバイバルの日々を乗り越えた先に少女が見出したものとは。機能不全に陥った家族は再生の道へ導かれるか。圧倒的筆力で描く追憶の旅。衝撃の自伝的ノンフィクションノベル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのぼん
26
とある少女が妹と共に母親に連れられて日本を旅することになって・・・。思いの外、重い雰囲気で読んでいて辛かったです。両親の不和や不登校、貧困の中で育った少女が大人になってからの描写がはじめの章で描かれていましたが、せめて大人になった彼女が幸せになることを祈らずにいられませんなでした。2017/06/04
わむう
19
貧困と虐待家庭に育った長女サナが主人公の話。高学歴でプライドが高く仕事が続かない父、そんな男と結婚したことを後悔している母両方からDVを受けている。ある日へそくり百万が貯まった事を機に娘2人は母に連れられ日本一周の旅に出る。お遍路の途中で小児愛性者の坊さんから妹を助けたり自分だけが置いていかれホームレスと3日暮らしたり母親の自殺を止めるためトリカブトを飲んだりと明るいタッチで描かれているが、なかなか壮絶。しかもノンフィクションであるらしい。サナの視点からだけでなく母親や祖母など様々な視点から描かれている。2017/09/23
はじめさん
18
だめんずの父、気分にムラがありDVする母の元で暮らす小学生姉妹。生活に疲れた母はひそかに貯めた百万円を握りしめ、姉妹とともに日本一周の旅(事実上の家出)を決行。移動は青春18きっぷ、寝袋で野宿。女だけの旅ゆえ、姉妹は危険を避けるために丸坊主。小田原を出発し、九州・四国・大阪・仙台・北陸。母、姉、妹の視点を入れ替えながらの旅の終着点は。/ 姉の名はサナで著者の名は真菜。略歴と照らし合わせると、どうも私小説みたい。どこまでが事実をもとにしているのの気になるところ。表紙は五十嵐大介。海の匂い。(H29/152)2017/06/25
ひろろん
7
サナと母と妹のカホの3人の視点で語られることで、物語に厚みが出ていました。サナは被害者だと思う。どんな事情があるにせよ、親は子どもを自分の思い通りになんかしてはいけない。3人の長い旅の終着に向け、淡々としていたサナの中に熱くほとばしる思い、魂の叫びのようなものを感じました。後から作者のプロフィールをみてみたら、ほぼ自伝のようなものらしく、それにも驚きました。現在が最初にあったので、最悪なことは起こらないのだろうとは分かりながらも、大丈夫だろうかとページを捲る手が止まらず、一気読みでした。2017/10/21
飲も飲も
5
ノンフィクションってことにビックリ。2017/08/22