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内容説明
あらゆる知的探究も内心の欲求を満たさないことに絶望したファウストは、悪魔メフィストフェレスと魂をかけた契約を結ぶ。巨匠ゲーテが言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った大作の第一部を、翻訳史上画期的な名訳で贈る。読売文学賞受賞作。訳者による解説「一つの読み方」を付す。
〈巻末エッセイ〉河盛好蔵・福田宏年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
67
ドイツ文学について深く触れたい人やキリスト教の教養を得たい人におすすめの本になっている!ゲーテ著『ファウスト』難解として有名。いざ読もうとおもっても手賀でなかった。だが友人と読むことになりチャレンジ。一言でいうとおもっていたより難解ではなかった!これはおそらく手塚さんの訳が名訳だからだとおもう。荘厳な雰囲気があるにも関わらずどこか親しみやすい。まるでオーケストラ公演でみんながしっているJ-POPが演奏される感覚と似ている気がした!まだ半分のため早く続きが読みたくなった!2023/07/11
優希
41
面白かったです。メフィストフェレスに魂を売り渡したファウストの絶望はどれほどのものだったのでしょう。下巻も読みます。2024/01/21
GELC
13
大学で教鞭を取っている同級生から勧められ、いつかは、と思っていた本書にいよいよ挑むときが来た…という感じで構えていたところ、驚くほどスムーズに読み進めることができた。挿入される詩の細部までは理解が及ばないところもまだあるが、グレートヒェンとの甘美な恋と、その後の悲劇というストーリーのメイン部分はページをめくる手が止まらないほど引き込まれた。彼らがどのような終幕を迎えるのか…救いか破滅か? 下巻も間を置かず読みたい。2023/08/10
さちめりー
9
過去には理解及ばす通読を断念していた。予習で手塚治虫のネオ・ファウストにも目を通した。いくらか教養がついたからかたいへんおもしろく読み進めることができた。古典の超名作をまだ第一部だけだが完読できた満足感でいっぱい。考察以前に次はどうなるんだろうと、ストーリーを追うことそのものを楽しめた。詩人と道化の交わす仕事論。出だしから惹きつけられる。ゲーテの自然賛美の表現は我々にもすんなり染み入ってくる。挿絵があったらなおよかった。ファウストの関連作品をいろいろ観てみたくなる。2022/08/07
うぴー
9
マルガレーテへの恋慕の甘美なさまや、ワルプルギスの夜において霊的存在が蔓延る幻想性のような高尚な世界の描写にとどまらず、論敵をあげつらうような、俗っぽくも皮肉で笑える場面もあり、幅広い楽しみ方ができる作品だった。また訳者が言葉選びに腐心した様子が巻末のエッセイにて触れられているが、品格と読みやすさを兼ね備えているように感じられ、気疲れせず作品に没頭できたのは翻訳によるものが大きいと思われた。2022/02/09