ナガサキ――核戦争後の人生

個数:1
紙書籍版価格
¥4,180
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ナガサキ――核戦争後の人生

  • ISBN:9784622088189

ファイル: /

内容説明

10代の若者だった語り部たちの原子雲下の同日同刻から苦難とともに生きのびた「長い戦後」まで。「この上ない歴史書」(ダワー)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

89
著者サザードさんは70年代に日本に留学、鎌倉の女子高に通った米国人女性。'86年、たまたまワシントンで被爆者谷口さんの講演の代理通訳を依頼されたことがきっかけで、12年の歳月を費やし長崎被爆者の”核戦争後の人生”を追うことに。被爆時の惨状から、惨禍を生き延びた当時10代の5人の若者の、その後の苦難の人生を丹念に聞き取っていく。多くの被爆者は深い悲しみや恐ろしい記憶から逃れるため、被爆体験に蓋をしているが、次第に彼らはの悲惨な体験を語り継ぐ必要に目覚める。本書は未だ原爆投下肯定論の強い米国では議論を呼んだ。2020/04/12

ケイトKATE

28
長崎に原子爆弾が投下され被爆した当時10代だった5人の人たちの苦難の人生を、アメリカ人作家スーザン・サザードが寄り添って書いている。被爆した人たちは奇跡的に生還できたが、被爆の後遺症に加え、家族を失い自分が生きたことへの負い目や周囲の差別や偏見に苦しんだ。大人になっても自分が被爆者であることを隠し続けていたが、長い月日が経つにつれ、原爆の恐ろしさや被爆したことが忘れ去られる危機感から被爆者たちは重い口を開いた。被爆者たちは心と身体に傷を背負いながらも、自分は生かされていることに気付き勇気を持って証言した。2020/08/17

ケニオミ

22
私の郷里は北九州市です。現在の北九州市小倉に落とされるはずの原爆が、当日の雲と前日の空襲による煙のため、長崎に落とされたことを知っていたので、ついつい手にしてしまいました。内容は、長崎への原爆投下により被爆者となり、後に語り部となった5人の方々の人生についてで、アメリカ人女性が時間をかけ纏めたものです。被爆者であることを公にすれば差別されることが現実であるにもかかわらず、それぞれの理由でその活動に身を捧げたことに敬意を表したいです。また、亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。2019/09/15

マイケル

13
キノコ雲の下で何が起きたのか多くの人に読んで欲しい貴重な1冊。本書指摘のようにヒロシマと比べてナガサキ原爆の本は少ない。被爆体験を語れる被爆者が少なくなった。米国人著者で多数の米国側資料も参照。原書2015年発行の新しい本。公平な立場でナガサキ原爆の被害と生き残った人々の苦しみが伝わってくる。真珠湾を持ち出しての米側反論、原爆投下で多数の米兵の命が助かったと言って民間人無差別殺戮の肯定と、多くの米国人が知らされていない原爆後遺症の隠蔽。治療禁止のABCCで実験動物扱いの被爆者。幼少期、長崎に住んでいた。2021/02/06

やくも

13
1945年8月9日、長崎。当時10代だった5人の被爆者の人生を、時代背景や原爆投下の経緯を丹念に織り込みながら、追いかける。被爆が心身にもたらす凄惨な被害が、数年にとどまらず生涯続くということが、浮き上がる。今年の戦争を考える一冊。2019/08/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13948433
  • ご注意事項

最近チェックした商品