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内容説明
家族、友人、ペット、健康、時間、夢や希望、そして自分の命――私たちは様々なものを失う。できれば避けて通りたい出来事ではあるが、喪失は人生と切り離せず、また何も失わない人生が幸せとは言えない。では、命ある限り生じる「心の穴」といかに向き合っていくべきか? 死生学や心理学の理論、当事者の声、死別後の悲嘆に対処するグリーフケアの実践で得られた知見を学び、来るべき喪失に備え、「その後」の日々に生かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たかこ
64
「喪失学」グリーフの本をたくさん読んできたけれど、一番理解が深まった1冊、たくさん線を引いた。「喪失にどのように向き合うのかは、人生をどのように生きるのかに通じる。」自分の喪失体験を改めて見直し、死は納得できるものではなくて、ただ受け入れるものであったのだなと思う。人生において喪失を重ねるなかで、この経験から学んだことは多い。けれど、喪失を意識して学んではいなかった。今だからこそできること、支援者として関われることを深めていきたい。「喪失体験に関する10の問い」のワークは週末に時間をかけて取り組むつもり。2023/10/19
サアベドラ
33
人生で体験する様々な喪失体験(特に死別)とそれが人に与える影響、そしてそれへの向き合い方を比較的冷静に記した新書。著者はグリーフケアの専門家。最近、親類を亡くしたので読んだ。ページ数は多くないが、内容が内容なだけに読み進めるのに時間がかかった。まことに遺憾ながらこの世に生を受けてしまった以上、必ず死ぬし周りの人もいずれ死ぬ。理屈では自明のことだが感情は理屈ほど論理的ではない。本書を読んだところでこのわだかまりがスッキリするわけではけしてないが、言語で考えることそれ自体はとても大事なことだと思う。2020/02/20
まゆまゆ
22
大切な何かを失い、それを嘆き悲しむ喪失。最近は「~ロス」ともよく言われるが、多かれ少なかれ人は何かを失いながら生きている。人生において何かを得ることは大切なことだが、いかに失うのかも大きな問題である。その答えを求めることは人間としての深みをもたらすが、答えは一人一人異なって当然。人物や所有物を予期せず失うこともあれば、選択した結果失うものも。失って初めてそのありがたみを分かる前に、今ある物を失ってしまうことに思いを馳せるのは大事なこと。2019/11/27
ゆず
16
愛犬を失って、読んでみた。人生は喪失と共にある事。哀しみの感情に蓋をしてはいないが、早く立ち直る事も無い。自然に従えば良い。後ろ向きのままでもよい。等励まされた。読んで良かった。愛犬のお陰で、喪失について考える時間も持てた。2020/08/11
アッコリン
14
猫が星になった。心のもっていき場を探してこの本にたどりついた。作者の優しさが伝わってきて温かくなる感覚。 引用されていた映画『ラビットホール』の一節。子どもを早くに失った経験のある祖母の言葉「悲しみは消えない。でも変わっていく。押しつぶされそうだったのが這い出せるようになり、ポケットの中の小石みたいに変わる」この言葉と本の中の様々な体験談が重なり、喪失を抱えながらも生きていく人の力強さと優しさを思った。自分の悲しみだけに注目していたことに気づいて、少しその外側から自分と周りを見回せる様になった気がする。2024/12/08
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