内容説明
偉人たちの本音は歌にあり! 現代の短歌界を代表する歌人が編む、日本史の英傑百人一首物語。独眼竜政宗は歌の天才!? 高杉晋作は隠れ西行ファン!? 夏目漱石がこの世にたった8首残した歌とは? 歴史学者も国文学者も知らない、超有名偉人たちの秘められた歌の数々を世界で活躍する気鋭の歌人が発掘。須佐之男命から昭和天皇まで、歴史上の偉人たちの素顔を、詠んだ歌を通して明らかにする。日本史の裏側がまるわかりの、新感覚短歌論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PAO
28
「時代を超えた人々の魂に育まれ、実ってきた三十一文字の果実や根菜の栄養素。花にも喩えたくなる麗しい何か」…歌人や文化人ばかりでなく徳川家康、伊達政宗、織田信長といった戦国武将たちの歌も紹介されていますが、その文化水準が高さに驚きました。反面、明治以降の政治家の歌は教訓めいたものが多いと感じますが、歌も詠まない現在の政治家に比べればその志は遥かに高いと思います。なにしろ散文では隠したはずの本心が出てしまうのが歌の怖さですから…。「おわりに」にあるように「和歌が世界文化遺産になる日」が本当に来るといいですね。2019/07/30
crane155
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著者は富士の和歌で世界の人々に知ってほしい歌として、山岡鉄舟さんの和歌「晴れてよし 曇りてもよし 富士の山 もとの姿は 変はらざりけり」をあげていた。 山岡鉄舟さんの『修身二十則』もまた調べてみたい。2020/08/30