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内容説明
2019年春、パワハラに関する法律を改正する法案が提出されました。こういった話題を聞くと、世の中では、「え、ふだんの会話もなくなっちゃうよ。もう女性とは話せないな」「もうなんでもハラスメント、ハラスメントって、嫌になっちゃうよね!」「広告や発言もすぐ炎上するし、言葉狩りじゃない?」「上司が萎縮して適切な指導ができない」などといった声があがります。本書は、そうした環境を是正し、個人のキャリアや企業の新しいリスクマネジメント、生産性が高く働きやすい職場づくりのために欠かせない「セクハラ、パワハラの意識と行動のアップデート」を促す本です。「働き方改革実現会議」の一員として、法改正などの議論の渦中にいる著者の実態調査と最新対策事情。今現在働く男女や、企業の法務担当として活躍する弁護士へのインタビュー、ITでできる最新ハラスメント対策など、“これからの働きやすい会社のかたち”を提案します。ハラスメント対策が問われる時代。雇用する側される側の正しい未来像とはなんなのでしょう。「どうすればハラスメントの加害者・被害者にならずに済むのか」を知りたい人必読の1冊です。
【本書構成】
第1章 ハラスメントを気にする男たち
第2章 女性から見たハラスメント
第3章 財務省セクハラ事件とは何だったのか?
第4章 企業の懲戒はどう決まるのか?
第5章 #MeToo以降のハラスメント対策最新事情
第6章 同質性のリスクは組織のリスク
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
77
2019年刊。世間は変わりつつあるのでしょうか▽ハラスメント問題は、被害者VS加害者ではなく、ハラスメントを容認する風土を変えたい人VS変えたくない人の戦い。「業績がよければハラスメントをする人材でもかまわない」という認識は2018年4月18日、セクハラ財務事務次官が辞任した日に変わった。マイナスはプラスより大きく働く。《アンラーニング》いったん学んだ知識や既存の価値観を捨て去り、新たに学びなおすことが必要▽家庭内モラハラに長年苦しんでいるので学びを深めようと思います。いまにみてろ2024/01/12
なるみ(旧Narumi)
33
著者白河桃子さんのツイッターで本書を知って読んでみました。参考になったのは、第5章 #MeToo以降のハラスメント対策最新事情で、各社等々の取り組みがわかったことでした。2019/06/05
イトノコ
30
図書館本。日本的な、ハラスメントが容認される組織からの脱却を指南する。タイトルの割にかなりセクハラに寄った内容であったこと、後半内容が多岐に渡りすぎてやや散漫になったことは残念だが、ためになる内容だった。以下まとめ。ハラスメントは個人の問題ではなく組織の問題/ハラスメントは組織の生産性を下げる/「セクハラをするが仕事はできる人」は組織にリスクをもたらす/調査をしっかり行えば、ハラスメントか否かの判断軸に大きなギャップは生じない/ハラスメントの基準を明確に/日本の組織の同質性の高さのリスクは極めて高い/2020/11/11
チャッピー
28
不祥事が起きやすい組織の特徴として「同質性」の高さがあるとのこと。日本は上場企業における女性役員の割合が149ヶ国中110位。日本より低いのは韓国とイスラム圏の国々。セクハラ・パワハラが問題化されてきても企業のトップ層は加害者に多い世代の男性ばかりという現実。社会の根本が変わらない限り何も変わらないのではと暗い気持ちになる。しかし今まで許されてたかもだけど、それハラスメントですよという意識が広がりつつあるので改革は少しずつでも進んでいくと思う。2019/09/03
金吾
25
パワハラだらけの職場にいた時は、部署の半分の人が心を病み休職しました。私自身はなんとかもちましたが、組織がパワハラ軍団を守り、心を病んだ同僚たちを批判した時に本当に嫌になりました。 ハラスメントは職場環境を悪くするといいますが、そんなものではなく個人の人生を破壊する行為だと思います。2023/12/07