内容説明
雪を求めてゲレンデからゲレンデへと1年中放浪の旅を続けるタヌ公こと田沼義晴と白人のジムは、伊能御子と由香利という女子大生と、立山のスキー場で知り合う。由香利はジムに熱を上げ、放浪の旅に同行、御子は由香利の親から頼まれて彼女を東京へ連れ戻すが、自分が二人と旅に出てしまう。自由を求めて生きる青春群像を描い名作。風間トオルや石田純一らで映画化された、スキー場で燃え、スキー場で散ってゆく、切なくも美しい恋の物語。白いゲレンデにしか咲かない恋もある!
感想・レビュー
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yamakujira
5
1980年単行本発行だから、あれこれ古いね。ずっとスキー場が舞台だから、背景には時代をあまり感じないのに、人物の言動が時代を表してるように思う。スキーバムって言葉は知らなかったけれど、当時は流行っていたのだろうか。作者はあとがきで「いまの若者たちのあまりにも小市民的な生き方に、黙ってはいられない苛だたしさ」を感じての「熱い、熱いメッセージ」だと言うけれど、そんなメッセージは伝わらないなぁ。社会に背を向けてバムを気取ってみても、結局は堅気に戻らないといけないよ、って話だし。 (★★★☆☆)2015/10/07