内容説明
奇怪な事件を見事に解明! 快刀乱麻を断つ「座敷牢探偵」の爽快名推理! 座敷牢暮らしももうすぐ三年になろうかという、本所の無頼旗本・勝小吉。最近は悪友の早川又四郎にすら愛想を尽かされている。のちに勝海舟となる息子の麟太郎のあどけない笑顔に時には反省もするが、「ぶっかけ飯しか食わない男の変死」や「切腹した犬」などの怪事件を聞くや、俄然、その解決のために身を乗り出す。手柄を上げて、一刻も早く窮屈な牢屋から解放されたいのだ。はたして、小吉に僥倖は訪れるか……抜群の知力と笑えるほどの駄目さ加減が心をほぐす痛快時代推理。勝海舟の父の若き日の抱腹破天荒生活、ついに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
78
喧嘩旗本勝小吉事件帖「やっとおさらば座敷牢」 3巻。軽妙で読みやすく面白いですね。2019/07/04
優希
41
座敷牢生活が長く感じられますね。駄目さ加減は感じますが面白かったです。2023/06/02
糜竺(びじく)
19
読みやすくて面白かった。いい娯楽作品。2020/05/18
ひさか
14
小説NON2013年8月号傾城の猫、9月号ぶっかけ飯の男、10,11月号眠れる木の上の婆あ、12月号相撲芸者が死んだ、2014年1月号犬の切腹、2月号幽霊駕籠、3月号大名屋敷の座敷わらし、6月号化け物のフン、の8編に、書き下ろしのおさらば座敷牢を加えて2019年2月祥伝社文庫刊。シリーズ3作目にして完結編。旧版1作目から、15年ぶりの完結。近年の巻だけあって、小吉の推理が痛快。幼い麟太郎がかわいい。2020/12/24
いっち〜
12
話数が多い分1話毎の文量は少なめだけど、3作目だけあり捻ったトリックや動機が増えた印象で、中には「ぶっかけ飯の男」のように結構強引に感じるものも。ただ、「本所の座敷童」のように実在人物が多く登場したり、「化け物のフン」のように当時の法律が上手く取り入れられたりと思わず唸る話もある。ある意味名探偵キャラの凄さが分かる「犬の切腹」も面白いけど、この犯人は絶許。最後の「おさらば座敷牢」での親子協力での謎解きから出牢の流れは感慨深い反面、最後があっさりし過ぎな気もする。ただ、思わず拍子抜けな勝小吉の気持ちは伝わる2024/06/28