内容説明
御製、会見、側近の証言など多岐にわたる貴重な資料をもとに、昭和天皇の87年の生涯をたどる、昭和史研究の第一人者による労作。下巻は、戦後、政治に関与せず日本の精神文化を伝える象徴天皇としてのあり方を模索し続けた後半生を活写する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
5
下巻は昭和の”長いその後”が対象。著者は昭和天皇を読み解くのに三つのアプローチを提示する。御製(和歌)、側近の記録(回想録や日記)、宮内記者会を分析することによって真意を推し量れると。よって、本書では随所に上記三点が引用解説される。ただ、著者はあくまでノンフィクション”作家”。史家による冷徹な評伝が好きなので、僕的には少々生ぬるい。2020/07/09
ホリエンテス
0
激動の戦争を経て、立憲君主から外れまいと努力する姿。政治的な質問にははっきりと答えられないと言い、自らの立場を明確にしていた。天皇の心中は周りの人間の日記等でしか明らかにならないが、それを推し量る事が我々の役目だと思う。2019/06/29