内容説明
戦前は「立憲君主」、戦後は「象徴天皇」として一貫した行動をとり続けた昭和天皇。その足跡をたどりつつ、日本という国、日本人にとっての天皇という存在の意義を改めて問い直す。上巻は誕生から太平洋戦争・終戦まで。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
22
保坂正康著作。単行本は2005年出版の朝日選書。基本的に保坂氏は歴史的事実に謙虚な作家とは思ってはいるが昭和天皇の戦争への関与が全く無い様に書かれており疑いの気持ちは持ってしまった。参考資料は天皇の戦争責任を無くすことを目的としたもので事実を捻じ曲げてはいないかと。ただ聞いてはいたが実態を知らなかった昭和天皇の皇太子時代の6ヶ月にわたる欧州視察の実際を知ることは出来た。第一次大戦の惨禍がまだ残るタイミングでの欧州視察は意義あった様。若い陸軍の人間も欧州視察(米国も含め)に行くべきだったかと思ってしまった。2023/07/25
Porco
18
意のままにならぬ世の中を生きてこられたのだと感じました。2019/06/06
ジュンジュン
8
上巻だけで、サンフランシスコ講和条約まで到達。こんなに進んで下巻大丈夫だろうか?と思わず心配になってしまった(笑)。「独白録」を無批判に引用しているところから、著者の立ち位置が窺える。心情を描くのに和歌を多用しているところが特徴だろう。2020/07/06
ホリエンテス
1
令和に入る前に昭和のおさらい。 戦前戦中の天皇にも操作不能な世の中に対し、立憲君主たらんと苦心した昭和天皇。 二・二六事件やポツダム宣言受諾において、聖断という形を取らざるを得なかった天皇の心はどれほどだったか。 いかに天皇であろうとも間違った道に転げ落ちていくのは止められない。我ら国民がしっかり国の舵を取らねばならないと知る。2019/04/25