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内容説明
●主な登場人物/奈々(フランス留学中の日本人学生。自分でも気付かぬうちに黒魔術にかけられていた)、ナワン・ナムギャル(プータン出身の僧侶で、伝統ダンスの名人。奈々が黒魔術にかけられていることを一目で見抜く)、イレーヌ・ベアール(自らを孫悟空と名乗る謎の少女。キリスト教会より“悪魔”の可能性があると認定される)、カンディド・アマンティーニ(バチカンの公式エクソシスト)
●あらすじ/自身にかけられた黒魔術をきっかけに、謎の若人・ナムギャルと知り合った奈々は、彼とともに世界各地に痕跡を残す“猿”の正体を追うことに。その過程で、自らを“孫悟空”だと名乗る少女と出会い…?
●本巻の特徴/いにしえより世界各地にその姿を現し、畏れられてきたモノ“猿”。そして現代、人類はその存亡を懸けて、“猿”と対峙することになる! 古今東西の神話・伝承などを網羅しつつ、誰も見たことのない世界を現出する、五十嵐大介渾身の単行本描きおろし作品!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
74
『カボチャの冒険』で著者の他作品も気になり、お気に入りの方にお薦め頂いた本書を読んだ。伊坂幸太郎氏の『SOSの猿』と対になる作品とのことだが、そちらは未読。タイトルからはどんな話かまったく想像つかず、読んでみるととんでもないスケールの話だった。しかも上下のたった2巻で。そして結構な危機的状況なのに、妙に淡々と、温度が低いというか、平常心モードの登場人物ばかりなのが独特な雰囲気。映像作品とかなら時々ありそうな、雰囲気も余韻も凄いやつ。個人的には上巻~下巻冒頭までがワクワクの最高潮になってしまいちょっと残念。2021/10/19
hiro
68
伊坂さんの『SOSの猿』を読み終え、何か見逃した感じがしたので、競作だというこの『SURU』上下巻を購入した。五十嵐作品は映画化された『リトル・フォレスト』と『カボチャの冒険』以来。『SOSの猿』を読んだのも半年以上前なので、エクソシスト、株の誤発注という別々の話が最後に“猿”によってつながったことぐらいしか覚えていない。この上巻は、時代的にも場所においても大きな広がりがあることを匂わせる冒頭で始まり、黒魔術、アフガニスタンと不気味な展開で終わってしまった。どのような競作なのだろうか。下巻が楽しみだ。2020/03/11
とら
56
「猿」「孫悟空」「エクソシスト」というキーワードを用いて描いた世界━伊坂幸太郎さんの『SOSの猿』と対をなす物語━SOSの猿を読んだ後すぐに読み始めたけれど、こっちの方が壮大だ。ファンタジー要素も強い。五十嵐さんといえば色んな漫画賞に名を連ねている程の作家だけど、あれなんだな、絵がめちゃくちゃ上手い!漫画と言うよりは画集と言った方が良いかもしれない(笑)世界規模で進行する物語で、色んな地域を描かなくてはならないのだが、その一つ一つが凄い綺麗。物語も絵があるからなのか結構掴める。伊坂版より好きかも。下巻へ!2013/02/03
眠る山猫屋
49
『SOSの猿』とのコラボとのこと。歴史の狭間に現れる世界破壊者SARU。世界各地で荒らされる聖遺物、暗躍する黒魔術暗殺団。ピサロやザビエルが反魂で甦る。バチカンや宗教各派が動き出す。帝都物語のような展開にワクワク。少女イレーヌに宿る悪魔(?)は斉天大聖孫悟空だと名乗り、カンディド神父を導き、ブータンの青年僧たちとアフガニスタンで邂逅する・・・。小説同様、孫悟空の(本体に還らなかった)身外身が善悪に別れて争っているわけだが、次第に善悪の区分が曖昧に。次の舞台は聖地エチオピア、聖なるアークを求めて。2020/09/14
MURAMASA
36
下巻が発売されたので、積んでた上巻を引っ張り出して一気読みです!伊坂幸太郎『SOSの猿』とのコラボ企画という本作ですが、「猿」「孫悟空」「エクソシスト」という題材を、自分のフィールドで自由自在に料理してるという点では、こちらに軍配かな。細く不安定な、そしてこの上もなく繊細な描線で描き出す「魔」の世界は、禍々しくも美しく、読者を惹きつけます。世界の破壊を目論む、蘇ったフランシスコ・ピサロと、人間たちの戦いが、果たしてあと単行本1冊分でどう決着するのか。まとめるのに苦労して下巻が遅れたんじゃないかと 続2010/10/30