新潮新書<br> 深層日本論―ヤマト少数民族という視座―(新潮新書)

個数:1
紙書籍版価格
¥880
  • 電子書籍
  • Reader
  • 特価

新潮新書
深層日本論―ヤマト少数民族という視座―(新潮新書)

  • 著者名:工藤隆【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 特価 ¥616(本体¥560)
  • 新潮社(2019/05発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106108136

ファイル: /

内容説明

日本人は少数民族、すなわちヤマト少数民族である! そう捉えると様々な謎がとけてくる。なぜ粗末な穀物倉庫が伊勢神宮正殿となったのか。秘される大嘗祭で天皇は何をしているのか。今なお、無文字文化の名残を残す中国少数民族に、在りし日の日本の姿をみた碩学が、古事記、万葉集(和歌)、伊勢神宮、大嘗祭をめぐって、本当の“日本古来”とは何なのかを、遥か古代にまで遡って説く日本論の決定版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるわか

13
日本は海の防御壁のおかげで、外来のリアリズム型知識とそれとは逆方向の少数民族的文化資質を抱え込んで1400年間国家としての体裁を維持し現在に至る。アニミズム系文化や歌垣文化圏の恋歌文化といった文化資質はムラ社会性・島国文化性とともに日本文化の基層。三つの文明開化[古代の唐・新羅連合軍の侵攻危機、明治の近代化、無条件降伏の敗戦]においてつねに表層(外来の合理主義)と基層(アニミズム系文化とムラ社会性・島国文化性)のお互い矛盾する方向性を抱え込んだ二重構造を有す。そのすべてに存在した天皇制(神話王・呪術王)。2019/06/19

りー

10
無文字文化の名残を残す中国の少数民族との比較等を手がかりに、古代日本の姿を探る本。興味深々で読んだのは、ぺー族の歌垣。メロディーラインはほとんど変わらない。愛する人を“兄・妹”と呼ぶ<歌のワザ>の習得は子どもの頃から行われ恋愛における色々な局面を想像を交えて歌う。万葉を思わせます。また、1950年代以降の発掘で、長江流域以南は漢化されるまでは木造建築だったと判明した点も面白い。天武・持統両帝は、伊勢神宮を当時の最先端仏教建築にしなかった―文化の取捨が意図的に行われていた・・・現代へ続く思考を感じました。2019/08/10

coldsurgeon

6
日本人であることの意識の深層にある、一定の考え方・共通認識を、日本人をヤマト少数民族という範疇でとらえ、考えるもの。ムラ社会性・島国文化性には、人と人との和を大切にする助け合い精神や、寛容の精神という美徳がある。アニミズム系文化には、自然と共生する思想と、自然が与える恩恵に感謝しながら生きる節度ある欲望という利点がある。一方で、不利なことは考えないことにする「空気を読むこと」を美徳とする。日本という国の将来には、目先の利害を優先し、破綻への想像力を放棄する姿勢を改め、現実直視の眼が必要である。2019/07/03

kana0202

1
言いたいことはわかるが、所々、言葉の使い方や論理が甘い気がする。日本について、神道を軸にして語ることの難しさ。神道そのものが曖昧で、一神教がもつ確固たる軸が欠けているからか。 でも都会の街中にも残されている地蔵なんかにジュースやパンが供えられていて、家を建てるときには、地鎮祭をやる国というのは独特であるよなぁと思う。 中国の文化圏(言い換えればそれは、漢字文化圏)の、周辺国、少数民族としての日本という見方は大いに賛成できる。 あとコラムがおもしろい。2020/12/29

イーグルボーイ

0
中国少数民族に、日本文化の源流が残っているとは…あまりに意外で興味深い。辺境ゆえに古代の後進性を残したまま近代国家になった日本。誇りは持っても唯一の歴史文化と勘違いしてはいけない。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13757735
  • ご注意事項