創元推理文庫<br> ファイアーウォール 下

個数:1
紙書籍版価格
¥1,320
  • 電子書籍
  • Reader

創元推理文庫
ファイアーウォール 下

  • ISBN:9784488209155

ファイル: /

内容説明

タクシー運転手殺害で逮捕されたソニャ。脱走した彼女は、変電所で死体となって発見された。自殺か他殺か? 単純なはずの事件が一気に様相を変える。一方、現金自動支払機の前で死んでいたITコンサルタントの男性の死体がモルグから盗み出され、代わりにソニャとの繋がりを疑わせるものが置かれていた。男の周辺を調べ始めたヴァランダーは、コンピュータに侵入するために、天才的なハッカー少年の手を借りる。新しい時代の犯罪についてゆけず、苦しむヴァランダー。人気シリーズの転換点。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

140
ずっとヴァランダーが苛ついているのが気になった。チームワークが良いイメージがあったんだけど。理解できない殺人と思えた少女の犯行が、実は一番理解できる動機だった。欧米のミステリって、たまに犯人の動機が壮大すぎて、ついて行けないことがある。2021/04/06

ケイ

134
犯行を計画している者達の様相が見えて来ても、最初のきっかけが不明なまま。そして、のちにヴァランダーが事件を回想する形での語りは、物事の展開に不安を掻き立て、マンケルの語り手としてのうまさに翻弄された。そして、人というのは、いい面も悪い面も持つということ、あの人は悪人だと簡単に割り切れるものでは無いという事を、今回の犯人やイースタの警察の人々の行動を通じて感じた。何よりヴァランダー自身がそうなのだから。その割り切れなさが、マンケル作品の醍醐味かも。2018/08/06

巨峰

96
まあ、出会い系でいきなりそんなにおいしいことはおこらないということでしょうか。しかし、こんな難事件の間に、余裕がないないというわりには、活力?があるなぁと思ってしまった。それから、このシリーズ、オリジナルメンバーが手厳しい扱いを受けています。マーティソンお前迄・・・でも、ヴァランダーも携帯の電池切れですぐ連絡が取れなくなったり、手がかりを話さなかったり、暴走したりだからお互い様のような気もしますねえ。でもでも、とっても面白かったです。2019/01/27

KAZOO

78
最初の頃に比べると、年をとったせいなのかヴァランダーがわがままになっていくような気がしました。同僚との確執なども出てきたり、署長とのやり取りもちぐはぐしてきたりということです。事件は最後には解決するのですが、今回は結構自分のさびしさなどを中心としたりということがあったりして原作者もシリーズの終わりを考え始めた気がします。娘も警察官志望になったりすることもあり。2015/06/30

タツ フカガワ

67
相変わらず結末に向かってのスピード感が素晴らしい。それにヴァランダーお馴染みの「忘れる、汚れる、コケる」にはいつも以上にヤキモキさせられましたが、同時にこのシリーズの満足度の高さを改めて実感しながら読み終えました。今回捜査陣のなかに生まれたシコリが次作(最終巻)にどう影響するのか。また娘リンダが警察官を目指すというエピローグ。ヴァランダーの続きが楽しみです。2023/09/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5341659
  • ご注意事項
 

同じシリーズの商品一覧

該当件数2件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす