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内容説明
保守にあって改憲に反対した宮澤喜一や後藤田正晴、野中広務。「九条の会」呼びかけ人、澤地久枝・井上ひさし。『官僚たちの夏』の主人公・風越信吾のモデル、異色官僚・佐橋滋。少年兵として戦争を体験した城山三郎や「憲法を変えるなどもってのほか」と主張した宮崎駿監督、三國連太郎、美輪明宏、吉永小百合といった文化人、そしてアフガニスタンで井戸を掘りつづける医師・中村哲。
彼らがどう人生を生き、そして憲法を護りたいのか。著者だからこそ知り得たエピソードとともに紹介(本書は、光文社刊の単行本『この人たちの日本国憲法』に、新たに澤地久枝氏と井上ひさし氏の2章を増補した角川新書版です)。
[もくじ]
第1章 「九条の会」の孤塁を守る澤地久枝
第2章 井上ひさしは憲法をやさしくおもしろく語った
第3章 宮澤喜一の『新・護憲宣言』
第4章 「戦争で得たものは憲法だけだ」と呟いた城山三郎
第5章 “異色官僚”佐橋滋の非武装論
第6章 派兵反対に職を賭した後藤田正晴
第7章 野中広務の日本への遺言
第8章 徴兵を忌避しようとした三國連太郎
第9章 美輪明宏の「戦争は野暮の骨頂」
第10章 「憲法を変えるなどもってのほか」の宮崎駿
第11章 吉永小百合の平和への祈りと行動
第12章 アフガンを歩く日本国憲法、中村哲
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じむくろうち
2
護憲派(故人も含む)12人の行動や言葉を通して現行憲法の素晴らしさを伝えた本。中には右派も左派もいるが登場人物に共通するのは他者に対する愛だ。特に戦争体験者には、こんなつらい思いを後世の人に味わさせたくないという切実な思いがある。12人いずれも素晴らしい人柄がにじみ出ている。仮に同じような形態で憲法改正派12人を取り上げたら、彼らが口にするのはおそらく「国」「天皇」「道徳」「伝統」・・・・・・人や命への慈しみが語られることはないだろうと思う。昔は自民党にも優れた政治家がたくさんいたんだと改めて思った。 2019/10/27