内容説明
もう人を好きになるなんてやめてしまおう。中学時代に経験した手痛い失恋から、そう心に決めていた沙弥香。しかし高校の入学式で初めて七海燈子の姿を見たその瞬間から、どうしようもなく燈子に惹かれていく。
同じクラスになり、一緒に生徒会にも所属し、やがて親友と呼べる仲にもなった。隣を歩み続ける中で、燈子の強さも弱さも知った。燈子のすべてを見て、一層好きになっていく。
でも、だからこそ。沙弥香はどうしても「好き」を伝えられない。待ちすぎて、恐れすぎて、一歩踏み出すことができなかった沙弥香の迷い、後悔、喪失――。
人を好きになるということを知ったのは、『彼女』と出会ってからだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
50
燈子の隣りにいようとするがために、その本質が気になりつつもあえて踏み込まないと決めた沙弥香。何というかどうすれば良かったのかと言われると、沙弥香自身はその時々の自分なりの最善を選択してきたわけで、結果をきちんと受け止める沙弥香が切ない。そんな沙弥香のその後があるのならまた読んでみたいです。2019/07/06
真白優樹
25
高校生活が続いてく中、沙弥香が燈子に惹かれていく様子が描かれる今巻。―――知りたくない、このままで。だけどそれでは、それだけでは。原作読者に突き刺さる物語が展開される、沙弥香について更に内面が深く描かれる今巻。 侑が現れ、燈子が現れ。彼女達と出会い、道が交わる事で変わっていく、恋をする。そんな彼女が深く描かれ、もう一度恋が始まる巻であり、原作読者にとっては更に彼女が愛おしく思える事間違いなしの巻である。変わっていく彼女と変革を齎した彼女を見届け、その先にある出会い。彼女の次の恋とは。 次巻も楽しみである。2019/05/12
タイコンデロガ級
19
話し自体は高校一年の時の補完なので、前巻ほど大きな山や谷があるって訳でもないですが、沙弥香の葛藤がMAXに綴られていて、色々と感じさせられます。 嗚呼、沙弥香…。2019/05/26
Susumu Miki(Dik-dik)
19
感想めいたものを書くとネタバレにしかならないので一番大事なことを書いておくと、これ4/27に出た「コミック電撃大王」6月号の本誌連載最新話まで読んでいないとダメな奴です。最低限、単行本7巻+6月号掲載話を読んでから読むことをお勧めします。そして、こっちのスピンオフも3巻が決定なのか…。2019/05/10
佐治駿河
18
(1巻の感想の続きです)アニメは受動的に見ることが出来ますが登場人物たちの気持ちを深く考えられなくなることがあります。漫画や小説は途中でページを止めて登場人物の気持ちを反芻して自分の中に取り込むことが出来るので、より深く作品に入りこむことが出来ます。逆にアニメでは音での表現が加わり動きがある描写で文字媒体では表現できなった空間的な広がりを見せてくれることで更に作品を昇華している部分があるのも事実です。2024/04/14