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内容説明
「関ヶ原合戦は西軍が勝ったはずだ」。かつて関ヶ原合戦の両軍の布陣を見たプロイセン王国・ドイツ帝国のクレメンス・ヴィルヘルム・ヤーコプ・メッケル大佐はこう述べたといわれる。戦略と勝敗とは、はたしてどのような関係にあるのか。日本において「完璧な合戦」は存在したのか。「撤退の意義」、「強兵と弱兵」の定義とは何か。本書は日本史の一次史料にとどまらず、『孫子』やクラウゼヴィッツの『戦争論』など古今東西の戦略論を参照。勝つための戦略を生む思考のプロセスを分析する。日本合戦史の教訓を新たな視点から導く、まったく前例のない書。 【本書に登場する主な合戦】「平治の乱」―完璧な合戦/「一ノ谷合戦」「屋島合戦」「桶狭間合戦」―迂回と奇襲/小田原城の攻防―籠城と攻城/「三増峠合戦」「川中島合戦」―『孫子』対『孫子』/「沖田畷合戦」「長篠合戦」「雑賀攻め」―新兵器への幻想/「賤ヶ岳合戦」「箱根竹下合戦」―内線と外線
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みこ
14
中世の合戦を戦術ではなく、戦前の軍部や今の日本人が見落としがちな戦略という概念で読み解く一冊。コンセプトは面白く掴みは良かったのだが、読んでいるうちに少々ダレてきた。考えられる理由として著者は平知盛と武田信玄を名将として讃えているのだが、その反面、義経と信長を必要以上に貶めているように感じる。前者二人を再評価として名将扱いするのは良いだろう。しかし、歴史の結果を見ればそんな彼らの敗れた(信玄の場合天下を取れなかった)理由を検証しないと何の説得力もなく響いてこない。2019/07/18
マネコ
4
戦国時代の話は資料によって振れ幅が大きいため定説とよばれているものにも穴がありますが、最新の研究という言葉をうのみにするのもまた短慮だと思われます。この本も面白かったですが、ポジショントークとみられることが多く評価が難しいです。2019/09/23
せいや
3
日本の古代からの合戦を「戦略」という概念を交えて分析している。戦略が誤りでも勝った戦争もあるし、逆に正しくても負けた戦争もある。現在でも戦術家として名高い源義経は愚将と筆誅を加えている一方で、平治の乱を勝ち抜いた平清盛は完璧な合戦であったと評価しているのが興味深かった。様々な合戦を東西の戦術家・孫子やクラウゼヴィッツなどを参照しつつ分析しており、日本の合戦史を多角的に知ることができる一冊。2019/08/13
大統領
3
成功や失敗の結果だけ見るのではなく、どうしてそうなったのかなどの背景を考えると更に歴史が面白くなると感じた。地図や図があれば分かりやすかったかも。2019/08/08
cocolate
2
ロジスティックスと海軍がおもしろい。2019/12/15
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