ひとの気持ちが聴こえたら 私のアスペルガー治療記

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ひとの気持ちが聴こえたら 私のアスペルガー治療記

  • ISBN:9784152098573

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内容説明

他者の感情が読めないアスペルガーの私は、早期経頭蓋磁気刺激という実験的施療の影響で、感情が見える世界へと放り込まれた。待っていたのは希望と戸惑い、そして「アルジャーノン」のようになるのかという不安……患者が自ら語る稀有なアスベルガー施療体験。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

133
自閉症(アスペルガー症候群)の著者が50歳を前に受けたTMS(頭にコイルを当て、磁場を発生させて行う治療)について、彼の人生について語っている。治療は良かったはずだ。しかし、本を閉じる頃に思ったのは、小題にも使われている言葉、ゼロサム。治療を受けたことで、人の表情を読み、感情を共有し、それによる周りの反応を感じ、知らなかったことに驚愕し、新たに得たものにワクワクする。この中で作者が何度も引用している『アルジャーノンに花束を』について改めて考えた。どう生きるか、もうこれが根底かもしれない。2019/06/05

優希

44
アスペルガーの著者が、TMSの治療の経過を紡いでいます。治療を受けた後、どのような変化や影響があったかを事細かく記述されているので、とても興味深かったです。当事者として読み、こんな治療法もあるのかと思いました。2023/07/22

ころこ

41
TMSという脳に電気を流す方法によってASDを改善できた体験記です。『アルジャーノンに花束を』が引かれ、あたかも知的障害者の知能が良くなるかのような導入のされ方ですが、著者はASDですが知能は明らかに高い。知的障害者も自閉症と呼ばれることがあり、問題が整理できていない印象です。治療によって社会生活が上手くいくようになった一方で、聴こえてきたひとの気持ちは敵意や悲しみ、過去の行いを想起して後悔するなど実は新たな経験は楽しいものばかりではない、というのが最後に前妻を亡くした場面と共に『アルジャーノン』に掛かっ2021/03/16

タツヤ

29
自閉症の人が先進的な実験に参加した体験記。 実験のこと以外にも、色々と個人的なことを書いているから読み応えがある。 結構、個人的な考察が多いから、どこまでが事実で、どこまでが考えなのか、判別が難しい。2023/02/09

くさてる

27
アスペルガー症候群であり、他者の感情や場の空気を読むことに困難がある著者が、それを改善することができる先進的な治療を受けた経験をつづったもの。専門的に難しい部分もあるけれど、メインは、治療により、定型発達の人々が感じるのと同じように他者への共感や非言語のシグナルを感じ取れるようになった著者の戸惑いと苦しみ、そして喜びの体験記です。単に治療して良かったというものではないし、その治療によって失われるものや、治療そのものの道義性などにも踏み込んでいます。すごく難しい問題だと思いました。2019/06/15

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