岩波新書<br> 日本をどのような国にするか - 地球と世界の大問題

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岩波新書
日本をどのような国にするか - 地球と世界の大問題

  • 著者名:丹羽宇一郎
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 岩波書店(2019/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004317616

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内容説明

トランプVS習近平の貿易戦争のゆくえは? 地球温暖化,巨大地震など迫りくる自然災害の脅威にどう立ち向かうか.AIが人間の仕事を奪うというのは本当か? 日本を取り巻くこれらの問題群とどう向き合い,国の立ち位置をどこに求めたらよいか.元中国大使・伊藤忠商事会長の著者が専門家と議論しながら考える.

目次

目  次
   はじめに

 Ⅰ 劣化するリーダーたち

 第一章 混迷する世界
   何が真実で何が嘘なのか/広がる不信感/ 「トゥキディデスの罠」/トランプの貿易戦争をどう見るか/ココムの再来/インフレによる世界恐慌の恐怖/中国の現状/共産党優位の政治はいつまで続くか/中国がアメリカに追いつけない理由
 第二章 官僚組織・企業経営者の問題点
   官僚が絶対にやらないこと/定義の曖昧さと日本社会/現在の日本の企業社会の問題点/かえって膨れ上がる役員報酬/ゴーン氏逮捕に思う
 Ⅱ 地球と世界の大問題を考える──専門家との対話

 第三章 地球温暖化問題はどうなるか──対談・竹本和彦(国連大学サステイナビリティ高等研究所所長)
   温暖化の仕組み/人口増加がもたらす影響/気温が一度上がるとどうなるか/生物への影響/吸収力の弱い森林もある/ウシのげっぷとメタンガス/人類はどこまで経済発展可能か
 第四章 地震予知・対策はどこまで可能か──対談・林 春 男(国立研究開発法人防災科学技術研究所理事長)
   地震が起こるメカニズム/予知と長期予測/南海トラフ地震が起こるとされている理由/南海トラフ地震の規模はどれくらいか/活断層タイプの地震は予測が難しい/南海トラフ地震の前震/どう対策するか/防災省は必要か/情報の共有とフェイス・トゥ・フェイス/時代によって変わる危機管理のイメージ/西日本豪雨の教訓/防災対策にサイエンスを
 第五章 aiは私たちの社会をどこまで変えうるか──対談・西 垣 通(東京大学名誉教授)
   aiブーム前史/パターン認識とディープラーニング/ヘイトスピーチを喋るai/aiの限界/aiは神か/aiのdna?/aiと人間/aiの限界/人間の補助としてのai/aiの使い道
 Ⅲ 日本という国のかたち

 第六章 日本の国是を考える
   なぜ、日本の国是を問題にするか/自然現象をめぐる問題と経済/氷河期の到来(?)と温暖化/自然環境と安全保障/世界の人口増加がもたらすインパクト/水をめぐる問題/平和と自由貿易/田中角栄の言葉/憲法について/アジアと世界の平和のために/漁業権と資源の共同開発/北朝鮮問題のゆくえ/日本外交の多元連立方程式
 第七章 そして、畏怖を忘れた私たちはどう生きるか
   日本の技術力をどう高めていくか/縦型社会を壊せ/オープン・テクノロジーの時代/世界の企業がリベラルアーツを必要とするようになった/全日本のプラットフォームをつくれ/どうやって人を育てるか/aiは人間を超えるか/経営者の要諦とは/後継者を育てるには/新入社員はどう仕事をしたらよいか/途中であきらめるな/人生の目標とは/自分の場合/最後に──一歩前に踏み出そう
   おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

118
丹羽さんの最新作です。この方は経営者としては本当に尊敬に値する人だと感じています。政治家や官僚あるいはマスコミに対して忖度することなく耳に痛いことをはっきりといわれています。三部構成で、劣化するリーダーたち、地球と世界の大問題を考える、日本という国の形です。とくにゴーン氏逮捕についてのマスコミの対応について、一過性のスキャンダルとして興味本位に取り上げるのではなく、日本と欧米との企業経営のあり方の違い、仕事に対する考え方、文化の違いといったところまで掘り下げて、といわれていてまさにそのとおりと思いました。2019/04/16

あすなろ

63
元伊藤忠会長で中国特命全権大使である丹羽氏が各専門家との議論踏まえ、国是を考え述べるというのが主題。国是というのは、国としてこの道しか歩く道がないものという意味。そこから論述展開され、誰が悪い、政治が悪いで止まるなと。そう思う己が一歩前に出るべきであると。それは今までやってなかったことをしなさいという。それはやりたいこと何でも良い。勿論それで魔法の様に急に世の中が変わる訳もない。しかしこうした一歩が変わる力になり、その為に仕事や活動をして、本を読むというのが大事だという。兎に角僕は読書して知恵を蓄えたい。2019/08/15

アキ

44
伊藤忠会長後に中国大使を務めた著者だからこそ今後世界情勢の中心となるアメリカと中国の関係を熟知している。日本は周囲の5カ国(中国・韓国・北朝鮮・ロシア・アメリカ)との多元連立方程式を解いていかなければならない。世界に平和な国と認識されている日本は「自由と平和」を軸に外交で積極的に関係構築すべき。地球温暖化に対してや地震などの自然災害への対応も提言している。また嘘をつかないこと、そして死ぬまで努力すること。そうすれば信頼される人間になる。人間は、人との対話・読書・仕事の3つで成長していく。見習うべき点ばかり2019/03/16

けんとまん1007

32
丹羽さんの本からは、いつも、そのお人柄が滲み出ている。とても、誠実で真摯な方だと思う。自分からすると、当たり前だと思うことを、とてもわかりやすく書かれている。それは、今のこの国の有り様を憂いていることから来ているのだと思う。ますます、近視眼的で、かつ、異なるものを排除する方向へ進んでいるこの国。今さえよければ、自分さえよければ・・・その先にあるものは、自ずと知れているのだが、それを何とも思わないのか、諦めさせているのか。この本を読んで、改めてそう思う。2019/10/14

ぴーすけのパパ

21
この本は3つの部分からなります。第1部は現在の政治家、官僚、経営者に対する「喝」。第2部は、「大問題」と考える3つのテーマ(地球温暖化、南海トラフ地震、AIの未来)について専門家の話を聞く。そして第3部はこれからの日本のあり方(「国是」と表現されています)です。第2部も新鮮でしたが、やはり核心は第3部です。食料自給率39%、エネルギー自給率2%という日本は、世界のどの国とも仲良くしなければやっていけない、「自由貿易と平和」を国是とすべきだと言います。古今東西の教養に通暁した丹羽さんに大局観を感じました。2019/04/05

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