内容説明
イコンに描かれていた「カシアン」は聖人に列せられながらも、心に強い憎しみを抱えた人間にとりついて、欲望を満たす力を与える魔物であるという。その伝説ゆえ長きにわたって封じられていたのだ。超人的な力を発揮して逃走を続けるロシア人との奇妙な符号に気づいた大塚は、命をかけて真実を突き止めるため、心の奥底に澱んでいた過去の傷と対峙しようと決意する。向かった先は東京――憎しみが渦巻く魔物の理想郷だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たーさん
13
こうゆうともすれば荒唐無稽な話を一気に読ませてくれるのは大沢御大以外に宮部みゆきさんぐらいだと思える怒涛の後半。持ち込まれたのが覚醒剤の他にロシアから持ち込まれたのが人の悪意に取りつく「魔物」だった取りつく相手を変えながら東京に向かう「魔物」それを追う大塚。最後に乗り移ったのは大塚の因縁の相手だった。「魔物」退治を軸にヤクザも絡むアクション場面。そして何より大沢ワールドの主人公に共通する信念の強さが胸打つ。怒涛のクライマックスまで一気読み❗大沢御大の小説はハズレがありませんね。2024/05/08
nori
5
ロシア正教のイコンに描かれた聖魔が100年の時を超えて邪悪な魂の者に憑依した。ロシアマフィアの殺し屋が、悪魔カシアンと化して暴力団三つ巴シマ争いの北海道に出現した。カシアンは魂が汚れ、怨みツラミの多い器を求めているらしい。麻取捜査官とマルB警察が組織軋轢の中魔物に取り憑かれたヤクザを追う。ホラーと暴力の大活劇。2024/01/18
ヤジ
3
やはり相性の良い作家なんでしょうね、読んでいても楽しいし飽きません2024/04/11
flower0824_
3
ロシアマフィアとやくざの取引現場でマトリの大塚はブツを押収するが、運び屋のロシア人は銃弾を身体中に受けながらもその場から逃走。あり得ない身体能力は特殊部隊あがりか、新種の薬物の影響かと思われたが、実はロシアの伝説の魔物“カシアン”が取り憑いていた…というオカルトチックな展開に。上巻は北海道小樽~札幌、下巻は東京へ。大塚の上司が『新宿鮫Ⅳ』に出てきたマトリの峠下で鮫ファンとしては楽しかった。2020/08/09
読書と紅茶🥰
3
現実的社会にオカルト要素の「カシアン」という水と油のような関係を混ぜたのが面白い。ちょっとしたことで破綻しそうだけどさすが大沢作品、最後までノンストップで読ませてもらった。大塚とジャンナが距離を詰めていく過程もこそばゆくて良い。新宿鮫シリーズの塔下捜査官がゲスト出演しているのもファンとしてはうれしいポイント。2019/05/24
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