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内容説明
政府管理下のマーケットとその帰結を分析
◆政府・日銀・銀行等の行動や独特の取引制度をひもとき、膨大なデータから昭和初期国債・株式市場パフォーマンスインデックスを算出。各市場のリターン・リスクや銀行行動の合理性、財政拡張政策の影響などを実証分析する。日本の金融史研究の新たな地平を拓き、現代ファイナンス理論に基づく市場分析の可能性を飛躍的に高める画期的研究。
◆現在、日本銀行が国債を大量に購入し、さらに株式ETFまで購入するという異例の金融政策が実施されており、これからどうなってしまうかが危惧されている。そのなかで注目されているのが、日本において類似した状況にあった1940年代戦前・戦時期だ。経済史家の間だけでなく、マーケット関係者や金融当局の人間たちからも当時の状況に関心が高まっている。本書は、当時の国債・株式市場の状況と帰結を詳細に分析。国民資源の最適配分を歪め、最終的に通貨価値の大調整を余儀なくされた過程を明らかにする。
◆当時の歴史的事実を、金融当局や金融機関の動きや経済統計からとらえた研究はこれまでもあったが、本書では金融市場の動向を分析し、当時の国債・株式市場のパフォーマンスを、独自のインデックスを用いて明らかにする。現在と売買の仕組みが違い、市場参加者も違うため、本格的に分析されてこなかったが、本書では戦前・戦時期の市場データを丹念に収集し、当時の取引の特殊性を反映させるインデックスを開発し、分析する。
◆著者はファンドマネジャーでもあり、歴史への深い造詣に裏付けられた金融市場分析で知られてきた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
okadaisuk8
1
相当の労作。債権と株式について現在に通じるインデックス指数を作った上で分析し、戦前の国債を日銀が引き受け→市場に買い取らせるという動きは、政府が会計基準を変えて誘導したこともあり、買い取る銀行にも一定合理的なメリットがあり、官民協調した動きだったと結論づける。もっとも、こんな異常な状態で発行される国債が粛々と引き受けられ市場で引き取られる代償は強度のインフレだった(なので実質金利はマイナス)というのはオーソドックスな結論。最後に簡素に書かれているが、黒田日銀との類似点と相違点をよく考えたい。2022/08/27
肉欲棒太郎
1
戦時下において金融統制が強化されていく過程でも、リターンの絶対水準は株式市場が国債を上回っていたことや、金融統制は政府による一方的なコントロール下で進行したのではなく、5大銀行をはじめとする民間金融機関が主体的に協調して推進されたことなどが、緻密なデータによる裏付けで実証的に論じられており、とても勉強になった。「アベノミクス」を考察する上でも必読の文献と言える。著者に拍手を送りたい。2019/08/07
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