内容説明
皇太子の結婚をめぐって宮内庁が強く要請し、国内メディアが沈黙することを承諾した報道自粛の申し合わせ。それが成ることによって、目的とはまったくちがった、誰も予測していなかったことが起きた。雅子妃決定に至るまでの「事情」とはいったいどのようなものだったのか……。当時朝日新聞の皇室記者として取材の最前線にいた著者が、次の時代を前に歴史の証言として残す「ほんとうの物語」。
目次
はじめに
第1章 婚約内定
第2章 報道自粛
第3章 仕切りなおし
第4章 水俣病
インテルメッツォ 十二単とドレス
第5章 夫婦の絆
第6章 メディアに沈黙は許されない
おわりに
少し長めのあとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テクパパザンビア
22
面白かったかなぁ…。皇后になられた雅子さまの話を期待してたら、報道自粛、水俣病、人格否定、適応障害、象徴天皇とかで思ってたのと違う。雅子皇后これからは上皇后や宮内庁の目を気にせず昔のようにバリバリと海外出向いて皇室外交して下さい、応援しまっせ。2019/08/29
りらこ
19
先月(平成)から読み始め、様々なことを回顧しながら調べながら読むうち令和を迎え、雅子妃は皇后となられました。ご成婚までを取材していた著者、ジャーナリストとしての視点を持っているからこそ書ける部分もありまた、今回の改元時にも感じた概ねが表面的な報道で、本当に良いのか?という想いも改めて感じます。雅子妃の人生を傍から見ていると、様々な面において恵まれた、と感じる人もいれば、どうして?と思う人もいれば憧れる対象としてみる人もいるでしょう。この本はそうした見方は無く、淡々と検証しているからこそ読み応えも。2019/05/06
Totchang
12
雅子様の皇太子妃としての選考過程で起きた「報道自粛」について書かれた本。雅子様の祖父がチッソ水俣病の原因企業の社長であった下りに多大なページを割いているのは、ない行為と感じました。今のマスコミは京都アニメーション放火事件での被害者を追い回すなど、常軌を逸しているとしか思えません。報道の自由のもとに何をしても良いと思っているのでしょうか?2019/09/05
たろーたん
1
私はディストピア小説が好きなのだが、日本の皇室もなかなかにディストピア的だ。ハーバード大出身の外交官・小和田雅子が皇室に入る。英語が堪能で、ドイツ語もフランス語もできるバリキャリだったが、内外からの解任待望論とプレッシャーや子供が産めない状況に苦しむ。しかも、産んだのは女児で「次は世継ぎを」と言われる。その重圧への反発は次第に環境への不満へと変わり、徳仁は「雅子が外国訪問をすることができない状況に適応することの難しさ」を語る。しかし、それも猛反発が来る。「いつの時代の発想、秘境かよ?」と思う。2024/12/04
うらん
0
報道側の面から描かれた本。報道自粛が及ぼした影響などが記されている。雅子様の人生、果たして幸せなのだろうかと思ってしまう。。2024/09/15