内容説明
ある事情により婚期を逃し、実家の左大臣家に居座っている藤原伊子。だが突然、入内を命じられる。自分の半分の年齢である、帝との結婚なんて…と、断るために出かけた先で、伊子が再会したのは十年前に別れた恋人、嵩那だった。彼との微妙な距離をとりつつ尚侍として後宮に入ることになった伊子に、謎の人物から脅迫文が届き…!? 平安後宮お仕事ミステリー。【目次】第一話 花の色はうつってしまったけれど/第二話 悪くはないが、もう少し考えてみよう/第三話 ないものを求めてもしかたがない/第四話 人それぞれ思うことはちがう/第五話 言ってはいけないことと言わなくてはいけないこと
目次
第一話 花の色はうつってしまったけれど
第二話 悪くはないが、もう少し考えてみよう
第三話 ないものを求めてもしかたがない
第四話 人それぞれ思うことはちがう
第五話 言ってはいけないことと言わなくてはいけないこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
139
舞台は平安時代。とある事情で婚期を逃した左大臣の姫・伊子(かのこ)は、32歳にして16歳の帝(亡き前の東宮)の求めにより後宮へ。そこで起こる様々な出来事に、尚侍(ないしのかみ)として関わる…というお話。表向きは出仕の形をとりつつも浅からぬ思いを抱き後宮に伊子を迎えた帝と、後宮での問題解決のために再び頻繁に顔を合わせるようになったかつての恋人・嵩那(たかふゆ)との微妙な関係、後宮内でのちょっと複雑な人間関係、この時代らしく文などに隠された人の思いなど…心惹かれる要素がたくさんで楽しい。この先も気になる…!2020/08/13
Aya Murakami
128
オレンジ文庫5周年フェアナツイチ2020 タイトルのあや解きは文解きで文章読解とか言語読解のニュアンスですね。新井紀子先生の某ベストセラーのおかげか文章読解系のハウツー本(特に子供向け)をよく見かけるのですが時代小説系でライト文藝でこのネタをぶつけられるのは想定外でした。 2045年を控えた現代に無くても平安時代には存在した犯罪の話(つまりは呪いの話)はあや解きながらもまさに平安時代劇でした。ちょっとした偶然が大騒動に発展する事態はこれからも続きそうです。2020/08/16
すがはら
93
この作家さんも一般の文庫出してるんだと読んでみました。挿し絵ないのがむしろ違和感あるくらいラノベ調のままなのがちょっと嬉しい。ヒロインが早とちりして相手に確かめないまま噛みつく展開は常道の様子。ただし、ヒロインの年齢設定が高いので反省は早いです。最初は32才設定に不服でしたが、考えたら、平安の女性の多くは不安定な結婚事情から三十路になっても恋愛関連で「もう卒業」なんて余裕かましてられなかったのかもなんて想像してしまいました。でも、10年前の別れの理由、ヒーローも少しは反省するべきだろう。2019/05/08
さつき
79
左大臣家の姫として生まれ、后がねとして育てられた伊子。父の大臣が帝の不況を買ったせいで、入内できず、いきおくれに。新帝に懇望され尚侍として出仕することになりますが…というお話し。伊子と嵩那との別れの原因には、びっくり!干し柿のくだりでは爆笑…いくら見た目がよくても、この感覚のズレ、空気の読めなさは痛いですね。面白かったです。続編にも期待!2019/05/27
がんも
69
仕事が忙しいから軽めのものを、なんて手に取ったらなかなかどうして、かなりしっかりとしたお話で楽しめました、現代調の書き方も読みやすくて私はありだと思いました、何より平安時代の時代背景をしっかり書かれてることに感心しました、続編も出てたようなので、続きも読みたいと思います。2019/09/20