内容説明
裏城紫苑は余命少ない末期患者の少年。
生きる楽しみを何一つ知らず死にたくない――
そう闘病を続ける姿が、天上界の姫エミルナの目に留まった。
「適格者よ。
我が“不死の騎士公《ジ・イモータル》”となり、
不死者の生を存分に楽しむがいい!」
不滅の肉体と、『他者にも不死性を与える』規格外の力を得る紫苑。
そして、彼が見出した喜びとは……
――エミルナの右腕として無敵の私設兵団《黄昏の騎士団》を結成し、
地上を支配せんとする天上界の王族を殲滅することだった!
「強くなって悪い奴らを踏みにじる。
これより気持ちいいことってある?」
不死の暴力。不滅の純愛。
今、灰色だった人生への大反逆が始まる!
正義を娯楽とし圧倒的な力で為す独善懲悪バトルパレード、開幕!!
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まっさん
17
★★★☆ 地上の文明のように科学は進んでいないものの魔法のような技術が発展している「雲上界」。天帝と呼ばれる唯一絶対である一人の王によって成り立っているこの世界では次期天帝の座を賭けて八人の子ども達がそれぞれ与えられた権能を配下の騎士に分け与えて殺し合わせていた。余命少ない末期患者である少年裏城紫苑はひょんなことから〈月 〉の権能を所持している天上界の姫エミルナの目に留まる。〈月 〉の能力の一部である「不死」の能力を与えられて彼女の騎士となった紫苑は不滅の肉体と他者にも不死性を与える力を手にし天上界の→2019/05/12
真白優樹
10
末期癌の闘病を続け生きる楽しみを知らぬ少年が、天上界の姫により不死の騎士となり、正義を娯楽とし遊び回る物語。―――化け物の鎖が解かれた時、身勝手な正義の時間が始まる。綺麗事も誤魔化しもない、悪意もなくどこまでも純粋な、エゴ剝き出しの正義。だがそんな純粋で只管に真っ直ぐな正義が原初の爽快感を心に齎す物語であり、現代バトルの再生という謳い文句にも純粋に納得できる、敵に何も与えぬ蹂躙に深い絶頂すら覚える物語である。自らの正義のまま、楽しみのままに振りかざす正義。その力の行方は何処へ。 次巻も須らく期待である。2019/04/15
nawade
8
★★★☆☆ 末期癌患者の少年・紫苑が天上界の姫エミルナより力を授けられ不死の不死の騎士公となり、無敵の私設兵団を作り快進撃する生死超越バトル小説。己が正義と思うことを快樂として為す独善懲悪。この作品を表現する上で良い造語だと思う。誰もが安らかな死を勧める中、生き足掻いた少年の生きる喜びへの渇望、それはある意味で壊れた心に辿り着かせた。新生した少年は遠慮しない、そして、躊躇しない。性根は悪ではないのだが傍目では怖気が走る行為も笑みを浮かべながら為し、敵を蹂躙する。その歪な英雄の肖像に注目したい。2019/04/12
じお
7
★★★☆☆ 末期の癌と闘う少年の前に現れたのは天上からの月の姫だった、“独”善懲悪バトルファンタジー第1巻。最強系主人公大好きあわむら先生の新作、やはりといっていいが主人公が激つよなのだがこのキャラが中々面白い。最初は病によって苦しみ不自由を強いられた故の生に対する執念や切望が個人的にはとてもツボで、そうだよなーチートはこういう人間にこそ与えられるべきだよなーというテンションで読んでましたが、段々ストーリーを読み進めていく内にうん?となってこれはヤバい奴なのでは?と。設定こそベタですが→2019/04/16
尚侍
5
とっても面白かった。基本的に不死のキャラが好きではないのでその手の設定の作品は敬遠しているのですが、あわむら先生の新作ということで読んでみました。基本的に俺tueeeeの究極系なのでバランスが崩れるとあまり面白くないのですが、敵の戦い方が工夫されていて不死でありながらも楽勝といかない展開は面白かったですし、主人公の出鱈目な打たれ強さは爽快感があって読んでいて楽しかったです。ただ、やはり不死の設定そのものが好きになれないので、個人的には初巻だけで満足しました。2019/04/26