内容説明
脱獄犯の行方を追う刑事ショーン・ダフィ。捜査の過程で彼が遭遇したのは、未解決の密室殺人事件だった。好評シリーズ第3弾登場! 解説収録/島田荘司
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
320
うん今のところシリーズ最高傑作。前々から予告されていた、密室殺人を扱っている。トリック自体は、本格ミステリの作家がやったらぶっ刺されるレベルのもの。この世界観に密室を持ち込んで、上手く融合させたことに意義があるのだろう。ショーンの語り口が、どんどんテンポ良く、比喩も冴えるようになってきており、史実との絡め方も、適度にスケール大きく楽しめる。前作がショボショボだっただけに、予想以上に良かった。次々作がまた密室物で、賞も受賞しているらしいが、それだけに次回作がまたイマイチなんじゃないかと今から不安。2019/03/29
ケイ
119
旧友との対決を含め、最後の100ページがトーンダウンした。話を運びたい方向があって、それに合わせて色々なことを曖昧にしてはいないだろうか。特に最後の10ページ程は、興醒めで残念。解説などは必要あるのか? ここは飛ばし読みというか、読み飛ばした。最初の400ページまではとても面白かったのだ。だから、次の巻も出たら読む。2019/08/14
buchipanda3
113
刑事ダフィ3作目。シリーズも回を重ね、だいぶ熟成してきた感じで安定の面白さ。街に漂う陰鬱な空気感の描写はやや薄まったけれど、エンタメとしての醍醐味が増していたと思う。そんな中、不意に来る悲劇はやはりやるせない。今回は密室というミステリの王道(著者が島田荘司氏のファンらしい)まで入っている。ダフィが探偵のように自由に動いて活躍させたいので著者はあんな辛辣な仕打ちをしたんじゃないのかといい意味で勘繰ってしまった。英雄というセリフが耳に残る。アイルランドの英雄、それは一体どういうのを指すのだろう。次作も期待。2020/02/20
のぶ
88
ショーン・ダフィシリーズの第3弾だが、全2作に劣らず面白かった。本作は過去の作品とは体裁を変えて、警察小説に本格密室ミステリーを融合させた話だった。舞台は前作同様の80年代、サッチャー政権下の北アイルランド。警部補から巡査部長に降格したショーンのところにIRAのテロリスト、ダーモットを探してくれと依頼が来る。ダーモットはショーンの旧友。そこでダーモットの元妻の母から、娘の死の謎を解けば、彼の居場所を教えるという。そこで出てくる密室事件。ショーンはこの事件にどう挑むのか?多面的に楽しませてくれた一冊だった。2019/04/14
ずっきん
85
大絶賛! 前作を凌駕することがシリーズ物前半の絶対条件だと思っているが、めっちゃ越えてきた!「占星術殺人事件」に刺激されたという密室トリックだけではない。舞台背景だった北アイルランド紛争の史実そのものに、ショーンがガッツリとでっかく絡んでくる。全編からたちのぼる田舎臭さ(←ほめてます)と、軽妙な会話(あい、がそのままで嬉しい♪)、骨太ロマンチストぶりもそのままに、幕引きのなんたる余韻。ああ、眩暈がする。もう、ショーンとこの世界観にぞっこんだ。本格物であり、歴史時代物であり、なおかつ警察小説という贅沢な一品2019/03/26
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