内容説明
東雲理子(しののめ・りこ)は、城京(じょうきょう)大学大学院に進学。専攻は哲学。修士課程での研究テーマについて図書館で悩んでいるとき、返却したはずの哲学辞典が何度も自分の机に戻ってきてしまうという謎が起こる。
「哲学に興味がおありですか?」
そのときに話しかけてきたのは、どこかミステリアスな雰囲気の銀縁メガネの男。後に判明するのは、この男性が理子の新しい指導教員、大道寺哲(だいどうじ・てつ)だということだった。
理子は大道寺の助けを借りながら、日常の謎に挑んでいく。
ある日を境に姿を見せなくなった喫茶店の常連さん、何度待ち合わせをしてもどうしても会えない友、理子の研究室に代々伝わる謎の決まりごと……。
平凡な毎日の、一見なんでもないようなちょっとした事件の数々。
そんな日常に潜む不思議な謎を哲学的な視点から解き明かす、哲学ライトミステリー。
スマートニュース×カクヨム「連載小説コンテスト」優秀賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
外部から城京大学大学院に進学した東雲理子。修士課程で哲学を専攻する彼女が、海外帰りの新指導教員・大道寺哲の助けを借りながら日常の謎に挑む哲学ライトミステリ。返却したはずなのに戻ってくる哲学辞典、ある日を境に姿を見せなくなった喫茶店の常連、休みのない古本屋の理由、何度待ち合わせをしても会えない友人、研究室に代々伝わる謎の掟など、身近で起こった謎を哲学を絡め解き明かしていくエピソードを八編収録。理子と父親の関係は気になりますが、大学で哲学を教える研究者である著者さんの文章は読みやすく書かれていて楽しめました。2019/04/13
yukision
21
とっつきにくい哲学の世界をライトミステリーを通して垣間見れた。哲学者の名前も世界史で聞いたことがある程度の知識しか持っていない私は,それは屁理屈じゃないか,と思うこともあったが,それも含めて新鮮だった。2019/10/07
rosetta
13
★★★☆☆投稿サイトからの出版で、作者は大学で哲学を教えているらしい。英央大学から最難関の城京大学の大学院に外部入学した東雲理子。父親は理子が生まれて直ぐに、哲学を極める!と言ってヨーロッパに渡りそのまま行方不明。大学ではフランス現代思想をやったが城京では現代思想の肩身が狭くカントをやることに。哲学に関するコラム的な小ネタを取り入れて理子の大学院生活を描く。こう言ったライトな感覚で哲学に興味を持つ人が増えればいいな。とか言いながら大学院レベルだからそこそこ難解かも?哲学科出身だけど今の自分には丁度いい(笑2019/04/28
アキノヒ
6
この作品はweb小説投稿サイトのカクヨムで読んでいた。とても好きだったので書籍化を知ってすぐに買いにいった。哲学と日常を見事に融合させている。2019/03/22
ぽて
5
【理子は、大学院に哲学で進学。フランス哲学の面白さに大学院でも続けようと思っていたが、周囲の冷ややかな視線からカントにすることに。図書館の棚に返却したはずの辞典が何度も手元に戻ってきてしまい…。その時隣席にいた銀縁メガネのミステリアスな男性が理子の新しい指導教員・大道寺哲だった。友人の彼の不可解な行動、定休日だけど休みではない古本屋、姿を見せなくなった喫茶店の常連、飼い猫の様子、何度待ち合わせをしてもどうしても会えない友、研究室に代々伝わる謎の決まりごと】各話の境に補講で哲学解説つき。軽めで哲学に触れた。2020/01/30
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