内容説明
発達障害、相貌失認の著者は転職を繰り返しながら会社や日常生活では困ったことだらけ。言語以外によるコミュニケーションは苦手、人の顔が覚えられない、あいまいな言葉は理解できないなどのエピソードと解説で生きづらさや世渡り術をわかりやすく伝える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルカリオン
13
望外の良書。発達障害は、障害の内容も程度も様々であり、「ある・ない」の二者択一ではないということを改めて認識した▼暗黙の了解が苦手で、言葉を文字通りの意味で受け取ってしまう著者。ロンドン転勤を不承不承受け入れたが、思いのほか快適であった。様々な国の人が集まるロンドンでは、「暗黙の了解」や「空気を読む」という文化はなく、コミュニケーションは明確な言葉により行われるからだ。外国人の同僚からは「あなたのYesは、『Noの意味かな?』と考えなくてよいので付き合いやすい」と言われた▼その人にあった環境が本当に重要!2021/02/21
ねこきち
6
非常に読みやすい。時々突っ込みたくなるが、それはお互いの相違ということで仕方ない。そういう相違点が、専門書よりわかりやすかった。また、専門書だと「とにかく周囲が気をつかえ」というスタンスばかりで腹立たしくなるが、この人のようにがんばっている人なら、手伝いたいと思う。しかし、「発達障害」かも知れない人のうち、この人のような努力家の方が少数派ではないかなぁ・・・。2015/09/19
Terry Knoll
5
40代になって発達障害だと診断された女性の手記。 子供の頃から「変わった子」「面白い女の子」と言われていたそうです。 会社や日常で、成功でも失敗でもない無難な方法を自分なりに見つけていくと生活が多少楽になりました。 納得する言葉です。2018/01/30
otya
4
口にすることはできないも、(←健気且つ切ない)心の中で「助けてください」と繰り返し懇願し、受けた診断だったが、幼いころから感じてきた違和感、困り感、しんどさに医療の手は及ばなかった。しかし、二次障害については医療に助けてもらった。 と著者は感じている。 それでも周囲の人に恵まれ、希望を見出し、人生を楽しもうとしている。人に恵まれるということは、すなわち、その人自身も周囲に分け与えているということではないのだろうか。障害あるなしに関わらず、そんな人生が送れたら素晴らしいと思う。2017/04/27
えび
2
自らがされている工夫が秀逸。当事者は学べる点が多いのではないか。2017/04/03