講談社文芸文庫<br> 忠臣藏とは何か

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講談社文芸文庫
忠臣藏とは何か

  • 著者名:丸谷才一【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 講談社(2019/03発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061960138

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内容説明

なぜ忠臣藏は人気があるのか。『たった一人の反乱』の作者が、あのたった47人の反乱の謎を解明し、忠臣藏論のパラダイムを変革した、文芸評論の名作。野間文芸賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

耳クソ

18
著者が拡大解釈を試みる「御霊信仰」や「カーニヴァル」の話は、諏訪春雄からの批判の是非などを差し引いてもあまり面白いものには思えなかったが、「4 宝永六年五月のこと」のラスト4ページにある一七六八年の中村仲蔵の『仮名手本忠臣藏』における斧定九郎の従来のイメージからの改変と、一八二五年に鶴屋南北が書いた『東海道四谷怪談』における忠臣蔵の扱いの変革について論じた箇所だけは惚れ惚れするほど面白かった。やはり十八世紀後半~十九世紀前半は面白いのだ。あと本書では徳川綱重が自殺したことになっているがいいのだろうか。2023/03/30

fseigojp

8
ベースに曽我物語があった なるほど2015/07/30

よし

6
自分では要約できない・・筆者の考え・・「赤穂浪士の討ち入りは、数百年も先立つ鎌倉は曽我兄弟の仇討の物語が祖形だった。赤穂藩の浪士たちはいわばその物語を無意識のうちにお手本として足かけ3年の復讐劇を敢行した。しかも、江戸期の町人がこの復讐劇に夢中になったのは、曽我兄弟にとって源頼朝が体制そのものだったのと同様、自分たちには幕府(当時でいえば綱吉)こそ手も足も出ない盤石のもので、赤穂浪士たちはそれに刃向って自裁する運命を選んだ。そこには御霊信仰、さらにはカーニバルを思わせるダイナミズムがある――」。2018/12/25

紫草

4
久々の再読。 討ち入りの12月14日に何とか間に合って読了。 歴史、文学、民俗学、歌舞伎や浄瑠璃とその歴史…丸谷さんの幅広い知識と深い思考が縦横無尽に発揮されたというか、一見話がぽんぽん飛ぶようで「あ。そこに繋がっていくのか!」となったり、丸谷さんの想像かもしれないけど(って言ったら丸谷さんに怒られそうだけど。かなりの程度当たっているはずって。)でも想像としても、江戸の町の人たちこんなだったんだろうなあって思うとわくわくする。 丸谷さんの新しいのが読みたい。今いらしたら何を書いてくれただろう。 2020/12/13

オサム兄ぃ

2
今年12月14日が土曜日なので義士祭詣を思いつき、予習と著者1周忌を兼ねて読了。評論なのに感想は優れた芝居を観た後に似て、とても清々しい。まさに博覧強記。引用は「浅野内匠頭家来口上書」など歴史資料は勿論、浄瑠璃・歌舞伎台本から古事記や中国はおろか、ギリシア・ローマの古典籍に及ぶ。それらを縦横に駆使して展開されるのは忠臣蔵を(芝居や物語にとどまらず、刃傷から討入り・切腹にいたる事件そのものを)「日本文学史の中に位置づける」という試みだ。意見無謀と思われる著者の挑戦は、見事本懐を遂げたのであった。2013/11/28

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