内容説明
毎年、台風は日本列島を襲い、各地にさまざまな爪痕を残します。日本で暮らすうえで、台風から逃れることはできません。そんな台風を、私たちはどこまで知っているのでしょうか。観測や予測技術が発達し、台風がどの方向に進むとか、これから台風が発生するとかといった予報を私たちも手に入れることができるようになってきました。しかし、台風には多くの謎がまだまだあります。未解決の謎に挑む、新進気鋭の台風研究者たちが、「観測」「発生」「発達」「海との関係性」「予報」「温暖化の影響」というさまざまな切り口から台風について語りつくします。台風を広く、そして深く知ることのできる、贅沢な一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
34
気象関連のわかっていることわかっていないことシリーズの第4弾の台風編。複数の研究者がオムニバス形式で執筆するスタイルは変わらないが、テーマが各論に入ってきているからか、シリーズの他の作品に比べても理屈、理論は最低限に抑えると同時にストーリー立てされていて読ませる工夫が前面に出ている気がした。巻末のクイズも含めて一般の読み物として楽しめるレベルの本だと思う。2021/12/26
ノンケ女医長
17
台風の定義、知らなかった。ずっと中心気圧で決まると思い込んでいた。台風が多く通過する沖縄県での研究施設の紹介が興味深かった。台風の襲来中、風が弱まる一瞬のすきをみて、計測センサを搭載した気球を打ち上げるとか。授業では学生と喜びを分かち合うと書いていて、なんだか頭が下がる気持ち。台風の上陸回数が最も多い都道府県は鹿児島県。沖縄県は「通過」なんですね。2023/06/03
toshi
16
タイトル通り、分かっていることと分かっていないことを列挙して解説する本かと思いきや、台風の研究者が分担して台風について解説する内容でした。 何人かの研究者が、担当する各章に与えられたテーマに基づいて書いているものの、各人好きなスタイルで書いているので全体を通して読むと全く統一性が無くて散漫な印象になってしまうが、それぞれの章は興味ある内容になっている。 本文の後にその章の著者のコラムが有るけれど、研究者目線の内容で個人的にはそこが一番面白かった。2018/09/15
鯖
14
30年ほど前まではアメリカが観測機を直接投入してはかっていた台風の中心気圧や風速等のデータは、今は予算不足等によりドボラック法というやり方で推測して出されてきた。去年台風22号の目に航空機で直接乗り込み、久しぶりにデータを取ったとのこと。台風の発生メカニズムは台風が台風を生むもの、偏東風と西からの風がぶつかったり、その間で生まれたりとさまざまな発生の仕方があること。台風が動くメカニズムはフィギュアの四回転ジャンプと同じで、腕を大きく広げ、きゅっと一気に縮める時に角運動量を輸送エネルギーに変換する。2018/09/21
テイネハイランド
13
図書館本。9/4の台風21号の記憶が残る中、経済紙の書評を見て気になったので読むことにしました。台風は気象現象としては日本では身近なものですが、その原理や発生メカニズムや観測/予測手段についてはあまり知らなかったので、本書を最後まで読むと初歩的な知識がざっと得られるメリットはありました。ただし、本書は読み手に配慮して編集されておらず、台風の原理について解説した第3章→台風の発生メカニズムについて解説した第2章→その他の章という風にすればもっと読みやすい本になったかと思われます。2018/10/13
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