角川ソフィア文庫<br> 悩ましい国語辞典

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角川ソフィア文庫
悩ましい国語辞典

  • 著者名:神永曉【著者】
  • 価格 ¥1,188(本体¥1,080)
  • KADOKAWA(2019/02発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784044003487

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内容説明

辞書編集37年の立場から、言葉が生きていることを実証的に解説。意外だが、江戸時代にも使われた「まじ」。「お父さん・お母さん」は、江戸後期に関西で使われていたが、明治の国定読本で一気に全国に。「がっつり」「ざっくり」「真逆」は最近使われ出した新しい言葉……。思いがけない形で時代と共に変化する言葉を、どの時点で切り取り記述するかが腕の見せ所。編集者を悩ませる日本語の不思議に迫る、蘊蓄満載のエッセイ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

70
日本語がゆれている、というより、言葉は時代を経て変化していくもの。辞典によって扱いがちがう例が、こんなにあるのか、という驚き。何気なく(あるいは何気に?)使っている日本語が誤用に満ちていて、しかも「誤用」が多数派になると、もはや元に戻らない。これこそ言葉の変化の現場そのものだ。辞書はどこまで「正しい」とすることができるか。「悩ましい」という言葉自体、意味がゆれている言葉であるところが、絶妙なタイトルのネーミングだ。悩むという意味にどの程度、官能的なニュアンスを読み取るか、パーセントで表現してみては?2021/09/10

future4227

49
長年、辞書の編集に携わってきた筆者が、誤用を招きやすい言葉の数々について辞書的にはどう扱うかを述べたコラム集。言葉本来の意味を貫くべきか、世の中に広く浸透している意味を認めるべきか、確かに辞書を作る側としては悩ましい問題だ。どうするかは出版社によって方針が異なる。「灯台下暗し」の灯台は海岸にある灯台ではないのだそうだ。おそらく多くの人が誤解しているはず。でも、辞書作りのプロでも誤用や誤解はあるそうで、それを聞くと少しホッとする。さて皆さん、シャベルとスコップ、どっちが大きい物と思っています?2022/03/16

Koning

35
辞書編集者の目線(小学館国語大辞典というOEDと似たコーパスベースというか用例を集める辞典の編集者というところがみそ)による誤用と思しき、あるいは意味の変化が大きい言葉のあれこれにコメントしていく。規範文法がない日本語で間違いと言い切るのはそろそろ無理があるでしょ?派なんだけど、まぁこれはその語源に対するリスペクトも含めてのこだわりは読んでいて楽しいと思う。日本語を普段使う人は読んでおいて損はない楽しい一冊。2019/03/21

山ろく

17
著者は元小学館辞典編集部編集長。辞書の役割は現状の把握か規範性の確保か。五十音順に並べた言葉に、意味の揺れや変化を巡る「悩ましい」エピソードが添えられる。しばしば登場する文化庁の「国語に関する世論調査」で、例えば「本来の意味でない使い方をする人が多い」という調査結果が出た語を辞書はどう扱うのか。誤用がこれ以上広まらないかと気をもんだり、補注として載せるべきかと悩んだり。「々」には読みがないとか、「的を得る」は本当に誤用かとか、70%以上が誤解している言葉の扱いにはどの辞書も苦慮している等の話も面白かった。2022/10/10

あまみ

16
いい本ではあります。私も誤用していた言葉が結構あった。まず本書の題名にある「悩ましい」も官能が刺激される、との意味だけだと思っていたが、苦悩の意味の方が原だと、本書ですっきり解った。▽言葉の使い方は時代とともに変わってきたのは解るが、間違った使い方を多くの人が使っているから、それらを認めていくのはいかがなものか。そして驚いたことに辞典に載せていくものさえあるという。止めてほしい。TVなどの媒体も流されず、間違った使い方を正す使命があると思う。辞書編纂者はなおのこと。2021/12/06

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